恋患い

□貴方の理性はhow much?
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〜実験台・晶の場合〜



「…んぁ?もうこんな時間か…」


今日はテスト前で軽めのメニューだけで予定より早く終わったから、教室に戻って晶を待っていた


体を動かしたばかりで天気も良くていつの間にか寝てたみたい


気が付けば演劇部の稽古も終わる時間が迫ってた


丁度いいから迎えに行こうとすると、隣の席で眠っている晶を発見


うわ…何時からいたんだろ?起こしてくれても良かったのに


窓から差し込む太陽の陽が直に可愛い寝顔に当たっているのを見て、急いでカーテンを閉めた


そこら辺の女の子より肌に気を使ってる子だから日に焼けないように守ってあげなきゃ


ぐっすり眠る無防備な寝顔は滅多に見れないからスッゲーレア!


やっぱり改めてみると綺麗だなぁ


そっと手を伸ばして柔らかそうな頬っぺを軽く撫でてみる…と


「ん…ジロ、ちゃん…」


俺の手に猫みたいに擦り寄ってきた


寝ながらも俺の事考えてくれてる?嬉しいかも


じっくり凝視していれば、まるで惹きこまれるように前髪を掻き上げて額に唇を押し付けてみる


寝込みを襲うという罪悪感は最初だけ


晶の柔らかな肌は吸い付くようで気持ち良いから夢中になって唇が欲してしまう


理性なんか持ち合わせていない俺は気が済むまで起こさない程度に繰返し唇を寄せていく


こんな所で寝てんのが悪いんだからね


好きな子が目の前で超が付くほど無防備だったら誰でも邪な気持ちを抱くよね?!


俺は間違ってないと自分を正当化しながらもう一度、柔肌に口付けを落とす


まだ唇は奪ってないけど…ヤバイ。癖になりそう


晶も晶で鈍い。何で起きないの?このままだと俺、止まんなくなるよ?


そろそろ起きてくれないと狼になっちゃいそう…次のキスで起きなかったら食べちゃおう


場所が場所なだけに誰が見てようが関係ない…本能の向くままに美味しそうな唇を頂こうと顔を近付けていくと



「はーいそこまで!時間切れで〜す」

「ウチ等が居ない間に何してたのかな?まさか寝込みを襲うなんて事はしないよな?」

「!?」

「早速集計に入るぞ。長太郎、何回だった?」

「俺の見解ではキス7回、お触り2回…ですかね」

「!!」

「って事はキス1回1000円、お触りは程度にもよるから今回は1回100円として締めて7200円になりまーす。キャッシュで今すぐ払いやがれ」

「え?え?はぁ!?」


なになに、どういう事?


本格的に襲おうとしたら廊下から鳳とレイラくんが現れた


俺を晶から引き剥がすとぼったくりバーみたいな料金を笑顔で請求された


寝ていたはずの晶もいつの間にか起きてるし


「流石は晶!寝たふりも上手いよな」

「そ、そう?何か騙すみたいで胸が痛かったけど」

「え?皆グルなの!?」

「ゴメンねジロちゃん…レイラから頼まれて」


え、頼まれたってどう言うこと?


「秒で引っ掛かりましたからレイラさんの策戦は当たりましたね」

「レイラくんが首謀者なの?」

「ちょとした商売だ。寝ている彼女に手を出すか否かのドッキリも兼ねて」

「人気ビュッフェの参加費を稼ぐために仕組んだみたいι」

「そ、そうなんだ…どうせ取られるなら唇も奪ってたら良かったな」

「えっ///」


…やられた。全ては金欠のレイラくんの罠だった


演技でも晶の可愛い寝顔が見れたからいいか…ぼったくれたのは納得いかないけど


「次は美々の番だな。晶みたいに巧くやれたら良いけど」

「えっ、美々ちゃんもやるの?」

「元々は跡部君との仲を進展させる為の作戦だったみたいだよ」

「跡部さんはヘタレだからあまり期待出来なさそうですけど」

「美々ちゃんはぐう聖だから汚せないってよく言ってるよね」

「あの子を何だと思ってんだよ…存分にむしり取ってやる」


うーわー結局は狩ることしか考えてなくない!?


まぁ俺も跡部はもう少し美々ちゃんには攻めてもいいって思ってたから止めない


これを機に何か変わるかな?
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