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□Rival In Love〈U〉
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【prologue】



契約だなんて持ち出してしまった手前、そうそう馬鹿みたいに甘やかしたり出来なくなってしまった。

しかも彼女は元来の生真面目さから、私が誘わないといつまでも大人しく待ち続ける。

確かに契約とは言ったが、「幸せである」ことが自分の権利であることは忘れているかのようだった。

全ての家事をそつなくこなし、大学とバイト先に行く以外はアパートで静かにしている。

これでは意味がない。

夜も何かと理由を付けてこちらから誘うのだが、だんだん億劫になってきた。

抱くことが、ではない。

何となく理由を付けないと触れられないような、変な暗黙のルールが成り立ってしまったのだ。

とは言え、抱けば悦んではいる(はず)なので、ほぼ毎日自分的にも苦しい言い訳をしながら行為に及んでいた。



だから、仮眠を取っていた私の耳元に、熱い吐息がかかって欲情した彼女を感じられたことに、少々驚きはしたものの満更でもない自分がいる。

たまには、こうやって積極的になってもらわないと。

ただ、すぐ応えたのでは沽券にかかわるから、寝たふりを決め込む。

耐えられないのか、いきなり耳の奥にぴちゃりと舌が入り込んで、何度も何度も舐められる。

さすがにこれは、堪らない。

ん、と声を上げて、今気づいたような振りをした。

「……そんなに焦って、珍しいですね」

とか何とか言いながら、待ちきれないでいる可愛い彼女の髪を撫でようと寝返りをうった。

さて、どれだけ可愛がってあげましょうか、と言いかけた私の目に飛び込んできたのは。







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