果てない夢…

□9.喜びと哀しみ
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9.喜びと哀しみ

「いよいよだな…」

ブン太が少し緊張した顔で言う

「ここが病室みたいッスね…」
「うん…間違いないよ…梶原涼…お母さんだ…」
「大丈夫か?」

蓮二が心配そうな顔でのぞいてくる…
そんなにみんなに心配かけてるんだ…

「大丈夫…あたし1人で行ってくるよ。
みんなは帰っててもいいよ?
ここまでしてもらってホントに感謝してるし…これ以上迷惑かけらんないから」
「柚希…俺らが迷惑な時なんか1度もない。
柚希が何か困ってた時は何でもするから、頼ってよ。」
「精市…」
「幸村の言うとおり。柚希は何も心配いらんよ」

みんなが優しくて、思わず涙が出そうになる

「ありがと…行ってくる!」
「「行ってらっしゃい」」

ガラガラッ!!!!

ドアを開けるとそこには…

「柚希…?」
「お母さん!!!!!!」

あたしは一直線にお母さんのもとに走って抱きついた

お母さんは病院の服を着て、前と変わらないうキレイな顔をしていた…

「お母さん…っお母さん!」
「柚希、どうして…よく場所が分かったね?ここ神奈川よ?」
「お母さんが…夢にでてきて…病院に入院してるって…言ってたから…っ」
「それでここに…?」
「うん…」
「そう…ありがとう…でも…あなたはお母さんのこと恨んでるでしょう…?
すごく…ひどいこと…」
「それはいいの…お母さんが1番辛かったって分かるから…」
「柚希…っうぅ…ほんとに…ゴメ…んね…」
「お…かあ…さ…っ」

久しぶりに2人で話した…
もう2年ぶりだよ…

すこし落ちついてからお母さんは…

「お父さん、再婚したんでしょう?」
「…うん」
「新しいお母さんとはうまくいってるの?」
「…てない」
「えっ?」
「一緒に暮らしてない…」
「…!?今どこで暮らしてるの?どういうこと?」
「新しい人、あたしのこと嫌いだったみたいでさ、あんたなんか死ねばいいとか言われて…どうすればいいか分かんなくなって…
今一人暮らし中。」
「一人暮らし!?どこで!?」
「蓮二の元親戚が使ってた家で、一軒家なの…今は使ってなくて、連二のお母さんとお父さんも、使っていいって言ってくれた」
「蓮二君の…そう…
柚希…また一緒に暮らさない…?」

真剣なお母さんの顔…すごく懐かしい…

「…うん…っ」
「また…よろしくね」

涙を流すお母さんは、心からの笑顔だった…

「あっでも…病気は…?」
「貧血だけよ?」
「…えっ?」
「なんか貧血で倒れちゃったの♪」

お母さんてば…変わんないなぁ
夢のヤツはどんだけ大げさだったんだって話だよ(汗)

「じゃぁもう退院?」
「ちょうど今日退院だったのよ」
「ほんと!?」
「うん」
「あっその前に…」
「?」
「ちょっと待ってて」

ガラ…っ

「…柚希!?」
「ブン太、そんな顔しないで」
「お前…その顔は…仲直りできたんだな」
「ありがとね…ホントに…」
「丸井だけズルいな(ニコっ)」
「ひぃ!!幸村…!!」

精市の黒いオーラがメチャ近く感じるよ〜υ

「みんなに感謝してるよ。ありがとう!」

柚希の満面の笑みに思わず赤くなるレギュラー陣だった

「あっ病室に入って♪お母さんに会わせたいの!」
「「えぇ!?」」

R陣は柚希の『お母さん』ということでかなり緊張していた

(やっべ…お母さんとか第一印象チョ―大事じゃねぇか!?)
(柚希のお母さんか…フフっ未来のお義母さんだな)
(プリっお母さんとなると…良い印象を与えとかんと…)
(先輩のお母さん!!!!チョ―楽しみ!柚希先輩と同じくめっちゃキレイなんだろうなぁ//)
(柚希のお母さん…久しぶりに会うな…まぁ俺が1番信用されているだろうが…)

などなど…
R陣…かなり第一印象やら期待やらがあるようで…

「入って〜」
「「失礼します…」」

フワッ…

ちょうど風が吹き、カーテンを揺らす…
そのカーテンでちょうど顔が見えかったが、カーテンが窓の方に戻った瞬間…

「「…//!?」」

R陣は一気に顔が赤くなるのを感じた
柚希とそっくりで、柚希がもっと大人っぽくなったのを想像してしまったのだ

「あら…柚希のお友達?
カッコいい子ばっかじゃな〜い♪」
「何言ってんの、お母さんυ」

「お久しぶりです。」
「蓮二くん!?かっこよくなったわね〜w」

((柳(先輩)てめぇ…))
(いつも遅いのが悪いんだ))

「おっおれ切原赤也って言います!!柚希先輩にはいつもお世話になってて…!ちょっブン太先輩!!」

赤也を押し退け、ブン太が…

「俺、丸井ブン太です!同じクラスなんですよ!!」

ギャーギャー言って数分後…

「ほんと面白い子達ね〜♪」
「お母さんυ少しは落ち着いてよ!」
「落ちついてるわよ〜?」
「もう…いや」

たくさん話をした気がする…
久しぶりだ…

「じゃぁお母さんは退院の準備をしよっかなぁ」
「手伝う?」
「大丈夫♪外で待ってて」
「は〜い」

みんなで病室から出た瞬間、
「「はぁ〜〜〜…」」
とみんながため息をつく

「どっどうしたのυ?」
「だってよ〜考えてみろよぃ。いきなり初対面であんなに柚希と似てるとは思わなかったぜぃ」
「ブン太先輩の言うとおりッスよ〜υ」
「そんなに似てた?」
「あぁ。すごく似てたよ。
柚希は大人になったらあぁなるのかな〜って考えてたよ」

幸村が優しい笑みを浮かべながら柚希に話かける

「幸村部長って柚希先輩には優しいッスよね〜」
「そうかい?まぁ柚希は特別だけど」
「そっそうなの!?」
「うん」



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