果てない夢…
□5.黒い気配
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5.黒い気配
最近なぜか人に見られている気がしてならない
「なんなの…?」
「なにが”なんなの”なんだい?」
「幸村くん。なんか人に見られてる気がするんだ;
でも気にしないで!どうせ気のせいだから」
そう言って笑う柚希だったが、幸村は何かが引っ掛かっていた
「アイツ…なんで幸せそうに笑ってるの…
あたしよりも幸せになるなんて許せない…」
影はどんどん近付いてきていた…
「よ〜し、今日は転校生が来たぞ〜」
先生の言葉を聞き、生徒達はザワザワし始めた
柚希も前よりも明るくなったため、友達もできた
「入ってこい〜」
ガラガラ…
「こんにっちはぁ♪
あたしぃ梶原加奈っていいまぁす
よろしくぅ」
見た目はかなりの美人で生徒も驚いていたが、ブリっ子のスゴさの方に驚いていた
「梶原は廊下側から3列目の後ろから2列目だ」
「はぁい♪」
ホームルームが終わり、休み時間
「柚希ちゃん!」
「!?ビックリした…はい?」
「名字同じとかチョ―偶然♪ってかカワイイねぇ」
「そんなことないよ、それよりどうかした?」
「なんでもないんだけどぉ、柚希ちゃんと友達になりたかったのぉ♪
よろしくねぇ♪」
最高の笑顔で手を握られ、圧倒された
その笑顔が何を意味するのか…
「ごめんυ文化祭の実行委員で遅れちゃったυ」
「いいよ。でも、あまり一人にならない方がいい」
「どうして?」
真剣な顔で言う幸村に少し驚く
「なんかイヤな予感がするんだ…」
「そっか…気をつけるよ♪」
せっかく明るくなれた柚希にまた闇に戻るようなことが起こってはほしくない…
「幸村」
「蓮二か。どうしたんだい?」
「柚希のことで何かあるのか?」
「いや…まだ確信はないし分からないけど…イヤな予感がしてね」
「幸村もか…」
「蓮二もなのか?」
「あぁ。でも、まだなにも分からない」
「そうか…俺らも注意しておこうか」
「そうだな」
二人は遠い空を見つめ、何も起こらないことを願った