果てない夢…

□4.真実の光
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4.真実の光

ん…
あれ?
もう昼…?

「起きたのか」
「真田くん…」
「具合はどうだ?気持ち悪くはないか?」
「うん…大丈夫」

何が起こったのかよく覚えていない…

「あのッ…あたし、朝に何かした?」

真田は少し驚きながら…

「覚えていないのか?」
「うん…迷惑かけちゃったみたいだね…ごめん…せっかくの合宿を潰すような真似しちゃって…」

「いや、そんなことはない。
でも、1つだけ気になることがある。」
「?…何?」

「いや…それはみんなの前で話してもらおうか」
「なんの…話し?」

「柚希」
「蓮二、あたし何を話せばいいの?」

何が何だか分からない柚希に柳は柔らかく微笑んで…でも辛そうに…

「過去の…話しを…」
「!!!…過…去…」

夜になったら話すということになり、それまで各自、自主練などをしていた

「なぁ赤也…柚希の過去ってどんなんだろうな?そんな深刻なのか…」
「俺だって分かんないッスよυ」
「アイツ…苦しそうだったからさ〜…なにか重いものを背負ってるみたいに…」

一人一人の思いを胸に、ホールに向かう

「お前ら遅いぞ」
「真田と幸村は早ぇなぁw」
「お前らが遅いんだυ」

和やかなムードも、柳の一言で凍りつく

「じゃぁ…本人から話すそうだから…」

柚希は最初普通に話していたのに、話が重くなっていくほどにだんだん顔色が悪くなっていった
ずっと泣きながら…でも止めることなく、ひとつずつ話した

「だからあたしは…親に捨てられた…。でも、元の母親と約束をしてたの。小さい頃の約束だから、お母さんも忘れたと思うけど…でも、この約束を守れば、また元の優しいお母さん達に戻ってくれるって…」

『あなたはずっと笑っていて…約束よ…あなたのことをずっと…愛してるから』

全員、声を出せる状況ではなかった…
あまりにも絶望的なことを経験してきた柚希にビックリしたのもあるが…本当に心から幸せを願っていたのだと

「あまりにも重い話だから…みんなに聞かせたくなかった…ごめん…」
「…いや…話してくれてありがとう」

幸村は心から優しい笑顔で微笑んだ
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