果てない夢…

□2.過去
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2.過去

「ただいま〜〜!」
「おかえり柚希早かったわね?」
「そう?」

中学1年生だったあたしは、普通の生活を送っていた
ある出来事が起こるまでは…

「なんなのよ!!!」
「うるさいな!わかってるよ!!!!」

ケンカが増え、あたしは部屋で閉じこもっているしかなかった

「柚希!!何回言ったらわかるの!」

母はあたしに八つ当たり、父はどこかにでかけている
そう…父は浮気していた

「あなた!!これはどういうことなの!?」
「お前には関係ないだろ!」
「もう離婚よ!!!!!!」

離婚…中学1年だったあたしでも、どうすればいいかわからなかった

「柚希はあなたが引き取ってくださいね?」
「なんで俺なんだ!」

あたしがどっちの親の元に行くか、言い争うようになっていった
最終的には父の方に引き取られた

「柚希、あたらしいお母さんだよ」
「よろしく…おねがいします…」

離婚ということでさえショックなのに…
新しいお母さんのことをまともに見ることなんてできなかった

「何この子…薄暗くてキモッ」
「そんなこと言うなよ。部屋はこっち」

新しいお母さんはあたしを嫌っていた

「ねぇ、なんでココに置いておくの!?」
「仕方がないんだ…」
「あの子暗くて不気味で気持ち悪いんだけど!」

部屋で話していることなんて丸聞こえ

気持ち悪い・汚い・暗い・不気味…

「行ってきます…」

かろうじて学校には通えていたけれど、心はすでに限界だった

「うっ…げほっ」
「うっわ!きったない!!!何吐いてんの!?最悪!」

吐いてしまった…
食べることさえイヤになる

「柚希!何してるんだ!!さぁ…こっちの部屋に行こう。柚希は自分で片付けろ!」
「げほっけほっ…」

喉が痛い、それよりも心が痛い

「はぁ…アンタなんかさ生まれてこなきゃよかったんじゃないの?」

たびたび言われるツラい言葉…
母になにか言えば、父に暴力される

「アンタの元母親もサイテ―よね」
「………うな………」
「は?聞こえないんですけど?」

パシンッ!!

「お母さんの悪口言うな!!!!!」

平手打ちをしてしまった

前に戻れるんじゃないか…
またみんなで笑いあえるんじゃないか…
そう思っていたから
本当のお母さんの悪口を言われるのは許せなかった

「いった…ふざけんじゃないわよ!!アンタなんかね、子供なんて思ったことないんだからね!
―アンタなんか死ねばいいのに」

『死ねばいいのに』

心に強く突き刺さったこの言葉は
今だに抜けない…

「うっうぅ…」

新しい生活になってから初めて泣いた
今までは強がっていたのかもしれない…

でもある日、一筋の光がみえた
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