果てない夢…
□1.出会い
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1.出会い
怖い…苦しい…誰か助けて…
この声は誰にも届かない
そう思っていた
「行ってきます」
誰もいない家に向かって挨拶をする
もう慣れきったことだ
「おはよう〜」
「だからwwww」
「まじウケんだけどぉ〜」
クラスメイトの話も聞き流してしまうほどだった
「ちょっと梶原さん聞いてる?」
「あっ…ごめんυなんだっけ?」
「だぁかぁらぁ!夏の文化祭の話し」
「あぁ…うん」
「梶原さん、代表してくんない?」
「「さんせ〜〜〜ッ★」」
「じゃぁよろしくチャン」
「わかった」
いつもこのように押しつけられてしまうタイプ
「この資料を職員室において…あっもう夕方になっちゃった」
「柚希」
「蓮二…なんか久しぶりな気がするね」
「そうか?お前が気が付かなかっただけだぞ?」
「ごめん」
「なにかあったら言えよ?」
柳が教室を出ようとした足を止めてこっちを振り向いた
「そういえば…今年から立海のマネージャーを決めるらしい…お前を推薦しておいた」
「えっ!?なんで!?」
「お前が1人だと俺が不安だ」
そう言い残して去っていった
「え…あぅ…」
いきなりそんなこと言われても…
まぁ選ばれないよね
「柚希、お前が選ばれた」
「なにで決まったの!?」
柳は少し目を伏せて話した
「幸村の判断で決まるからな。写真を見せて、少し事情を話した」
その瞬間心がピシッと音をたてる…
「そっか…あはは…笑ってた?よね…」
「いや、ぜひ一緒に活動したいと言っていた」
「こんな重い話みんな聞くと離れていっちゃうのに、その幸…村くん?って人にも、テニス部の人にも迷惑かけちゃうし…」
「大丈夫だ。あいつらなら、大歓迎してくれる」
柳はかすかな笑みを浮かべ、柚希の手をひいた