桜の雫
□〜第二幕〜
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〜第二幕〜
土「…で、だ。まずはコイツのことだが。」
平「土方さん!コイツ、まだ子どもだぜ!?」
土「だから何だ。」
平「…うっ」
副長と呼ばれる、土方という人はバッサリと意見を切り捨てた
沖「ふふっ…やっぱり千鶴ちゃんの時と一緒だね」
原「あぁ…確かに。状況がある意味似てんな。」
(千鶴という子が…鬼に狙われているの?)
思わず、2人の会話に耳を澄ませてしまうが、1人の男の声でその話を聞けなくなってしまった
?「まぁまぁ。まずは自己紹介だ。
俺は近藤勇だ。新選組局長をしている」
『…はい…?』
土「急に自己紹介してどうすんだよ、近藤さん。」
近「そうか?じゃぁ次は君だな」
『天羽…柚希』
できるだけ男の子に見えるようにふるまった
だけど、なんかたどたどしい…と自分でも思う;
近「天羽くんか。
君は…どうしてこんな夜にあそこにいたんだ?」
近藤さんは優しい問いかけをしてくれるが…
周りの視線が痛い。
――…本当のことをいうしか……
『自分は…ある人を探しているのです』
沖「誰を探しているの?」
どんどん追究されていく…
―…怖い
平「まぁまぁまぁ!なんか泣きそうだぜ、コイツ。
総司が怖ぇんだよ;」
沖「そう?ごめんね」
そんな藤堂さんの助けは耳に入っていなかった。
慣れたと…思っていたのに…
鬼は人から恨まれる…
少し…人間を怖いと思っている自分がいる…
昔のことは全然思い出せないのに
恐怖だけが…
―…心を支配する
自然と手が震えてしまう
永「っつーかよ、まず1番気になんのは鬼共が千鶴ちゃんじゃなくてそこのガキを狙った理由だろ?」
原「そうだな。なぁ、どうして狙われたか分かるか?」
『…………。』
言ってしまえば…
きっと迷惑がかかる…
風間から守ってくれた人たちだし…恩はある
でも…鬼と名乗れば、そのあとの私は…
生きていられるかどうか…分からない
その時、すっとふすまが開いて…男装をしている女の子は入ってきた
(あれ…あの子…どこかで…)
?「お茶です、どうぞ。」
近「おぉ、雪村くん。
ありがとう」
バタンッッ
音を立て、急に立ちあがった私に皆驚いている
それ以上に…「雪村」という姓に…
私が1番驚いた
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