果てない夢…

□5.黒い気配
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加奈が転校してきてから、柚希の周りにはいつも加奈がいた

「ねぇ柚希ちゃぁん♪柚希ちゃんはどの部活に入ってるのぉ?」
「部活?部活はマネージャーとしてテニス部に入ってるよ」
「すごぉい♪あたしも入りたいなぁ…いい?」
「部長に聞かないと分かんないやυごめんねυ」
「そっかぁ…聞いてみて?」

その日の部活はちょうどミーティングだった

「よし…なにか意見とかある人いる?」
「あの〜…」
「ん?柚希、どうしたの?」
「転校生の梶原加奈ちゃんがマネージャーしたいんだって」

その瞬間柳は何かが頭によぎった

「いらないぜぃ、そんなやつ」
「そうッスよ〜柚希先輩だけでいいッス」
「俺も柚希だけがいい」

上からブン太・赤也・仁王の順番で口ぐちに言った

「でもあたし一人でも役にたたないし」
「十分ですよ。あなたは頑張っています」
「そうだな。梶原は頑張っている」

みんなに励まされる柚希だが、加奈を入れてあげたいと思う気持ちが勝ってしまっている

「加奈を入れてあげたいんだけど…」
「柚希がそんなに入ってほしいなら入れてもいいけど、迷惑になるようだったら即退部させることになる…それでもいいなら」

黒い雰囲気を出しながら話す幸村に少し怖さを覚えたが、入部OKになった

「えぇ〜いらないッスよ〜」
「そうだぜぃ」

と、文句を言う2人はさておき…

「ほんとにぃ〜〜♪?入っていいのぉ?」
「うんッいいって」
「やったぁ」

柚希は加奈が勝ち誇ったように笑っていたのを気付かなかった…

「こんにちはぁ♪あたしぃ梶原加奈っていいまぁす」

こちらの部室でも、外見を見て驚いたのよりもブリっ子で驚いていた

「よろしく。梶原さん」
「加奈でいいですよぉ。」
「いや、まだ知り合ったばかりだしね」
「えぇ〜でもぉ柚希ちゃんの名字も梶原だからぁ迷っちゃいません?」
「柚希は名前呼びだから大丈夫だよ」

その瞬間少し怒りをおびた顔になった加奈に気づいたのは幸村と柳のみ…

「そうですか。まぁいいやぁ♪」

「ちわース」
「あ〜ぁ腹減った〜。柚希なんか持ってねぇ…って誰?」

勢いよくドアを開け入ってきたブン太と赤也は知らない女子に驚いた様子だった

「はじめましてぇ♪あたしぃ梶原加奈っていいまぁす」

永遠とブリっ子を聞くのはさすがにイヤだったようで…部員は全員コートに向かった

「もう練習始めるのぉ?」
「そうみたいだね」
「カッコいいんだろうなぁ♪」
「そだね〜結構有名らしいよ?」
「らしいって柚希ちゃん知らないのぉ?」
「あんま興味ないからさυ」
「そっかぁ」

2人で他愛もない会話をしていると…

「柚希」と柳が声をかけた

「どしたの蓮二?」
「いや…少し話があってな」
「いいよ。ゴメン、加奈ちゃんυ」
「大丈夫だよぉ〜」

「なんかあったの?」
「前の柚希に戻ってきたな…」
「急になに?」
「ふと思っただけだ。
本題は、梶原加奈のことだ」
「加奈ちゃん?」
「あぁ。彼女にはあまり近づかない方がいい」
「なんで!?せっかく友達になれたのに…」
「理由はまた説明する。だからあまり近づくな」

それだけを言って去っていく柳

「なんで…?」



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