果てない夢…

□2.過去
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ピーンポーン

「はい?」
「俺、柚希さんの幼馴染の柳と申します。柚希さんいらっしゃいますか?」
「…いますけど?」

態度が変わった?
俺は少なからず、そう感じた

ガチャ

「…どーぞー奥の部屋に引きこもってると思うわよ」

引きこもり?家族なら助けたいとはおもわないのか…
疑問がたくさんあったがとにかく柚希に会いたかった

「柚希。俺だ、蓮二だ」
「―蓮二…!?」

バタンッ

勢いよくドアを開けた柚希の顔はかなり痩せていた

「ちょっと!!!ドアは音たてて開けんなっつったでしょ!?うっさいわね!」

リビングから母親が怒鳴っているのを聞き、柚希は顔色を悪くした

「まず部屋に入らせてもらってもいいか?」
「うん…」

柚希の部屋はとても暗かった
柚希の気持ちを表すかのように…

「大丈夫なのか?」
「えっ…?なにが?あたしは元気だよ!」
「お前…顔がわらっていないぞ」
「……蓮二には何でもお見通しだもんね」
「まぁな。で…?何があったんだ?」

今までの話を泣きながら話す柚希を見て俺は、心が苦しかった…
それ以上に苦しみを味わっている柚希のことを思うと胸が痛む

「そんな…ことがあったのか…」
「どうしていいかわかんなくて…もう…イヤなの…」

前までの柚希はとても明るくて元気いっぱいで、運動神経抜群でよく一緒にテニスをしていたのに…
そんな前の柚希はもういなかった

「神奈川に来ないか?柚希。」
「かな…がわ?」
「あぁ。」
「蓮二が住んでるところだよね…?」
「そうだ。俺と一緒の中学に通うんだ」
「あたし…今の学校も登校拒否しちゃってるの…だからすぐには通えない…」
「ゆっくり慣れればいいさ」
「でも、家のこととかは…?」
「それなら心配ない。俺の親戚が使っていた一軒家があるんだ。一人暮らしになると広いかもしれないが…」

柚希は少し顔を明るくして「うん」とうなずいた
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