Il cielo ブック
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―蘭side―
蘭「ん…」
朝。
昨日早く寝すぎてしまった所為か、本来ならいつも寝ている時間に起きてしまった。
…皆まだ寝てるよね…。
二度寝するには時間がないしなぁ。
あ、外に散歩でも行こうかな。
この辺の道は大体覚えたし←
蘭「朝の空気、吸ってこよう」
皆に気付かれないように行かなきゃ…。
******
…テニプリの世界の地形って、こうなっているんだぁ。
あ、公園がある。
ベンチがあるから休憩してこうかなぁ。
蘭「ふぅ…」
朝って気持ちいいなぁ。
空が綺麗。
…いつもと変わらないはずの空なのに、違うなんて…なんだかなぁ。
蘭「不思議…」
「何が不思議なんですか?」
蘭「!?…あ、鳳さん…」
びっくりした…。
変な声出ちゃったよ。
蘭「…鳳さん、何故ここに?」
鳳「蘭さんの姿が見えたので、気になって」
なっ…可愛いなぁ、もう…。
鳳「蘭さんは?」
蘭「あー…、少々散歩を」
眠気覚ましみたいな感じでもあるけど。
鳳「で、何が不思議なんですか?」
蘭「…覚えていたんですか」
鳳「えぇ、まぁ」
そりゃそうか。
蘭「いえ…、空が、変わらないなぁと思いまして」
鳳「空?」
蘭「はい。変わらないのに、世界が違うんだと思うと何か…」
鳳「…」
蘭「不思議ですよねー…。この世界に来た事、嬉しいはずなのに気が付くと前の世界の事ばかり考えてしまうんです。
やっぱり…不安…なんですかね…」
…何喋っているんだろう…、私。
やばい、泣きそう…。
鳳「…泣いていいんですよ」
蘭「え…」
鳳「泣きたい時は、泣いていいんです。ここには、俺しかいませんから…」
鳳さん…。
蘭「…有難う御座います…」
しばらく私は泣いた。
心の不安を、全て流すように。
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