氷帝
□おめでとう!純情ボーイ
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「あ、あのよっ///!」
『ん?どーしたの宍戸』
氷帝学園3年C組
そこには、いつものように好きな子に精一杯話し掛ける宍戸亮がいた
その様子を同じくいつものように微笑ましく見守るクラスメイトたち
「ちょ、ちょっと聞きたいことがあんだけど」
『なーに?』
「お、お前って好きな奴とかいるのか!?」
(((!)))
3年C組にいた全員が自分の耳を疑った
理由は簡単。今まで宍戸が、こんなにストレートな質問をしたことがなかったからだ
『好きな人、ねぇ…なんでまた?』
大して驚きもせず、そう答える宍戸の想い人、苗字名前
二人の会話に、全員が知らん顔しつつも耳をかたむけた。(宍戸、告るなら今だぜ!!)←全員の心の声
「べっ、別に俺が聞きてーわけじゃねーからな///!」
(オイオイ何言ってるんだよ宍戸!)
素直になれない宍戸に、嘆くクラスメイトたち
『………』
黙り込む名前
「お、俺の友達がっ、だな!」
『友達が?』
「お、お前をす、すすすすす好きって言ってたからよっ!そ、それで」
“友達が”と言うのは、90%自分のことってよく言いますよね
『ふ〜ん…“友達が”ねぇ』
名前も何か感じとったようです
「お、おぅ!」
『じゃあ、その友達に言っといて』
「……(ごくり)」
『私はあんたじゃなくて、その友達の宍戸亮が好きなんだよってね』
「…は?」
(ついにこの時が…!!!)歓喜に渦巻かれるクラスメイトたちと、状況が掴めない宍戸。告白をしたのに涼しい顔の名前
『私、宍戸のことずっと好きだったのになぁ…』
悲しげに、そう呟く名前に、慌てて答える宍戸
「お、俺も好きだぜ///!!(や、やっと言えたぜっ)」
『宍戸の友達は?友達裏切るの?』
ニヤリと意地悪げに宍戸を見上げて尋ねる名前
「そ、それは嘘でっ!…ほ、本当は俺が聞きたかったんだ///」
真っ赤になってそう言う宍戸
そんな宍戸を見て、名前は愛おしそうに目を細めた
『ふふっ…よく出来ました』
ちゅ、と宍戸の頬に軽くキスをおとすと、宍戸はますます赤くなった
「なっ///さ、最初から分かってたのか///!」
『ふふっ…どうでしょう?』
おめでとう!純情ボーイ
(宍戸ー)(あ、あのよっ!名前で呼んでくれねーか///?)(宍戸が私を名前で呼べたらね)(なっ///)((相変わらずだね、宍戸…))
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おめでとう!純情ボーイ
ってのは、クラスメイトの心の声ってことで…うん
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