氷帝

□紫色のスニーカー
1ページ/1ページ




『そうだっ!見て見て侑士!』



帰り道、名前が思い出したように話し始めた


ニコニコ笑いながら、足元を指差しとる

かわえぇ…その笑顔、反則や。ほんまにかわえぇ。今すぐ喰ってしまおったいちうわけや。このまんまお持ち帰りしてもええんけ?


って、話がズレてしもた


足元足元…それにしても相変わらずべっぴんな脚しとるなぁ…、やっぱこのまんまお持ち帰り…ってあかんけへん。落ち着くんや俺。ぼちぼちって、名前の指差す方向をもういっぺん確認


…や、


「靴、替えたんやな」



『そうなんだっ!』


名前が嬉しそうに答える


紫をベースにしたハイカットのスニーカー。名前が好みそうなクールなデザインで、靴紐のアクセントが目ぇをひく

センスええな、名前


「ええ靴こうたな」



率直な感想を述べたら、思いもしなかった返事が返ってきよった


『でしょ♪綾美に、侑士を思い出す靴だねって言われたよ』


「俺を思い出す靴…?」


綾美ってのは、名前の親友ってことなんやねんけど…

どないゆうこってや?

俺を思い出す靴?

どの辺やろ…クールなってこってかやろか。…ええこって言うてくれるやん、名前の親友



『うん!知ってた?紫って変態色なんだって!そこが侑士みたいだねって綾美に言われたの♪』


「はぁ…?」


へ、変態って…そらあらへんやろ、名前の親友。しやろな名前も変態認めるのかや


『綾美に言われるまで気づかなかったよ〜』


まるっきし悪びれた様子もなくしゃべる名前。あかん、この姫さん天然なんや…


「名前、俺が変態ってってこ認めるのか?」


まぁ確かに、男は変態やねんけど。実際さいぜんもお持ち帰りってか考えてたねんけど

…好きな子に変態って言われるってさすがにちびっと傷つくな


『ご、ごめん!嫌だった…?』


名前が申し訳なさそうにゆうもんやから、なんかこっちが申し訳なくなってきてしもた


『で、でもねっ?紫はいい色だと思うよ!ほら、消えちゃう!キャンディってあるでしょ?あれって黄緑の飴が出るわり、紫の飴が出た方がラッキーじゃん!?』



「ぷっ…」


消えちゃう!キャンディて…ほんまにかわえぇ。若干話がズレてるトコも含めてな


『?…よくわからないけど、良かったよ。わらってくれて』


ふにゃっって安心したように笑う名前


そないな名前の笑顔を見て、自分の顔がだらしなく緩むのが分かるちうわけや。名前の前では、ポーカーフェイサー忍足侑士は存在でけへんらしい


『それにさ、嬉しいんだ///』


名前が少しほっぺたを紅潮させる



「何がや?」



『紫色が変態色ってことは知らなかったけどさ。この靴を買ったってことは、無意識に侑士を選んでたってことてだよね?それって、すごく嬉しいなぁって思って…///』



「名前…」


なんて嬉しいこってを言うてくれるんやこの姫さんは…!



「俺もその靴選んでくれて嬉しいで。…大切に履おってな?」


『えへへっ…///もちろんだよ!』



































紫色のスニーカー











(なぁ名前、お持ち帰りしてもええ?)(え、駄目だよっ!靴持って行かれたら帰れない!)(い、いや…そないやのぅて)(…?)







*****


紫色って、変態色って知ってました?

友達に自分は言われて知りました(笑)

本当かはわかりませんが…

こんな駄文を読んで下さった名前様、ありがとうございましたm(__)m




.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ