氷帝
□紫色のスニーカー
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『そうだっ!見て見て侑士!』
帰り道、名前が思い出したように話し始めた
ニコニコ笑いながら、足元を指差しとる
かわえぇ…その笑顔、反則や。ほんまにかわえぇ。今すぐ喰ってしまおったいちうわけや。このまんまお持ち帰りしてもええんけ?
って、話がズレてしもた
足元足元…それにしても相変わらずべっぴんな脚しとるなぁ…、やっぱこのまんまお持ち帰り…ってあかんけへん。落ち着くんや俺。ぼちぼちって、名前の指差す方向をもういっぺん確認
…や、
「靴、替えたんやな」
『そうなんだっ!』
名前が嬉しそうに答える
紫をベースにしたハイカットのスニーカー。名前が好みそうなクールなデザインで、靴紐のアクセントが目ぇをひく
センスええな、名前
「ええ靴こうたな」
率直な感想を述べたら、思いもしなかった返事が返ってきよった
『でしょ♪綾美に、侑士を思い出す靴だねって言われたよ』
「俺を思い出す靴…?」
綾美ってのは、名前の親友ってことなんやねんけど…
どないゆうこってや?
俺を思い出す靴?
どの辺やろ…クールなってこってかやろか。…ええこって言うてくれるやん、名前の親友
『うん!知ってた?紫って変態色なんだって!そこが侑士みたいだねって綾美に言われたの♪』
「はぁ…?」
へ、変態って…そらあらへんやろ、名前の親友。しやろな名前も変態認めるのかや
『綾美に言われるまで気づかなかったよ〜』
まるっきし悪びれた様子もなくしゃべる名前。あかん、この姫さん天然なんや…
「名前、俺が変態ってってこ認めるのか?」
まぁ確かに、男は変態やねんけど。実際さいぜんもお持ち帰りってか考えてたねんけど
…好きな子に変態って言われるってさすがにちびっと傷つくな
『ご、ごめん!嫌だった…?』
名前が申し訳なさそうにゆうもんやから、なんかこっちが申し訳なくなってきてしもた
『で、でもねっ?紫はいい色だと思うよ!ほら、消えちゃう!キャンディってあるでしょ?あれって黄緑の飴が出るわり、紫の飴が出た方がラッキーじゃん!?』
「ぷっ…」
消えちゃう!キャンディて…ほんまにかわえぇ。若干話がズレてるトコも含めてな
『?…よくわからないけど、良かったよ。わらってくれて』
ふにゃっって安心したように笑う名前
そないな名前の笑顔を見て、自分の顔がだらしなく緩むのが分かるちうわけや。名前の前では、ポーカーフェイサー忍足侑士は存在でけへんらしい
『それにさ、嬉しいんだ///』
名前が少しほっぺたを紅潮させる
「何がや?」
『紫色が変態色ってことは知らなかったけどさ。この靴を買ったってことは、無意識に侑士を選んでたってことてだよね?それって、すごく嬉しいなぁって思って…///』
「名前…」
なんて嬉しいこってを言うてくれるんやこの姫さんは…!
「俺もその靴選んでくれて嬉しいで。…大切に履おってな?」
『えへへっ…///もちろんだよ!』
紫色のスニーカー
(なぁ名前、お持ち帰りしてもええ?)(え、駄目だよっ!靴持って行かれたら帰れない!)(い、いや…そないやのぅて)(…?)
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紫色って、変態色って知ってました?
友達に自分は言われて知りました(笑)
本当かはわかりませんが…
こんな駄文を読んで下さった名前様、ありがとうございましたm(__)m
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