四天

□熟れるはちみつ
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−「苗字が、この学校に慣れていろんな余裕が出来て…俺のこと男として見てくれるようになったら…」



−「ちゃんと、付き合うてって言う」











あれから、早くも2ヶ月の月日が流れた
私はようやく四天宝寺中に慣れて、とても楽しく学校生活を送っている

そして残念ながら、この2ヶ月の間に席も替わってしまった


だから、最近全然忍足くんと話せていない
……いや、最近じゃない

実は、あの後からお互いなんだか気恥ずかしくてあまり喋れていないんだ

我ながら、情けない話だよね。…でも、私には話しかける勇気はどうしても湧いてこなかったんだ




『…はぁ』



「なにため息ついてるの?名前」



『あ、綾美ちゃん』


この子は、今とっても仲良しの綾美ちゃん。明るくてハキハキしていて良い子なんだ



「悩みでもあるの?」


綾美ちゃんが心配そうに私の顔を覗きこむ



『大丈夫、なんでもないよ?』


そう私が言うと、綾美ちゃんはニヤリとした




「そうかそうか〜。名前もついに恋の悩みか!!」



『なっ…///!』



「あ、赤くなりよった!どなたはんかなー?名前の意中の人はっ」



『い、いないよっ!』




………実は、誰にも忍足くんが好きって言ってない。だって、恥ずかしいし…
忍足くん、モテるから

にしても綾美ちゃん鋭すぎだよ


運よくチャイムがなり、綾美ちゃんからの追究を逃れた私は、机に突っ伏した



…………私、わかりやすいのかな…




「なぁ、名前ちゃん」



『ん…?』



名前を呼ばれて顔をあげると、白石くんがいた。ちなみに、今の隣の席は白石くんだ




「名前ちゃんの好きな人って謙也やろ?」



『…な、なんで知って///!!』

まさか当てられるとは思ってもいなくて、びっくりした
小声で言ってくれたから、みんなには聞こえていないのが救いだった

てか、さっきの会話聞こえてたんだね………




「やっぱりかぁ」



『“やっぱり”って…鎌を掛けたの?』



「まあな」


『…///!』


白石くんが笑う

…王子様みたいな顔して酷いことするな




「告白せんの?」



『………出来ない』



「なんで?(両想いなんに)」



『だって……恥ずかしいし、それに…』



「それに?」



『………』



「……?」



『なんでもない。まぁ…告白はしないよ』


そう言うと白石くんは、煮え切らない顔をしたがそれ以上は聞かないでおいてくれた


…忍足くんが、言ってくれるって言ったし……待っているべきだよね?
だってアレって…なんか変な言い方だけど、私に告白してきてくれるって意味だよね?
この学校に私が慣れたら、忍足くんを男としてみるようになったら………そしたら告白してくれるって…


ゔー…なんか、曖昧すぎて解らないよっ



それとも…やっぱり告白するべきなのかな?そうしないと、ずっとこのままな気がする……

でも、なぁ…



私は授業中、そんなことを悶々考えていた。忍足くんが、私と白石くんを複雑な表情で見ていたなんて知らないまま…






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