立海

□いじわる
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私には、ずっとずっと、ずーっと想い続けている人がいます。その人は女子顔負けの美人さんで、全国レベルのテニス部を引っ張っている人


中学1年生の時同じクラスになって、好きになりました。彼は優しくて、頭が良くて、洞察力も鋭かったです

そして高校3年生になった今年、私はまた彼と同じクラスになれました。中学1年生ぶりです

5年の片思いが、いつか報われるといいな………なんて思ってたら







「よろしくね、苗字さん」



『よ、よろしくお願いします…』



「ふふっ、そんな緊張しなくても」


そういってふわりと笑う幸村くんを見る

なんと、隣の席になれたんです!!
緊張しないなんて無理だよ…!だって、久しぶりに幸村くんを見た上に隣の席なんだよ…!?これが落ち着いてなんていられますか

隣の席なんて、私の想いが通じたのかなー…て、そんなわけないか

とりあえず、席を名前順に指定しなかった適当な我が担任に大感謝です…!!





「ずいぶん嬉しそうだね?」



『えっ…そ、そうかな?』


私は、思わず顔に手をあてる。やだ、私ったら恥ずかしい…無意識のうちに顔に出ちゃったんだ。気をつけないと…!幸村くんに変な人って思われちゃう





「ふふっ…ほんっと、分かりやすいなぁ」



『え?何か言った?』



「ん、苗字さんと隣の席になれて嬉しいなぁって」



『えっ、あのっ…///』


幸村くんが、ニコニコ私を見つめてくる。そんな風に言われたら、なんて言っていいのか分かんなくなっちゃうよ…。恥ずかしいこと、さらっと言うんだな。今私、絶対顔赤くなってる




「苗字さんは、俺の隣の席は嫌だった?」


そう言って少し眉をさげる幸村くんを見て、きゅんとした
そしてあわてて大きく横に首をふる



『そんなことないよ!う、嬉しい……よ』



「どのくらい?」



『え?…どのくらい?どのくらいってそりゃもう天にものぼる気ならのぼれるくらい嬉しいですよ!!』



「ぷっ」



『あっ///』


し、しまった…!何意味わかんないこと言ってんの私!!うー…勢いあまって本音がぽろりとと出てしまいました…。にしても普通言うなら天にものぼる気分だよね!
馬鹿まるだしじゃん…!!
あーやだやだっ!穴があったら入りたいとは正にこのこと!




「苗字さんて、ときどき突拍子もないこと言うよね」


今だに少し笑いながら幸村くんが話す。私、そんな風に思われてたんだ…。幸村くんに私の印象があったなんて頑張ってたじゃん、過去の私…!!

…うわ、自分で言っておいてアレだけど私ってなんかかわいそうじゃない?





「これだから、目が離せないんだよね」



『?…何から?』



「苗字さんから」



『え?私…?突拍子もないこと言って面白いから?』



「ふふっ…それもあるかな」



『…それも?』


他に、何があるんだろう…?

思い当たる節がなくて首をかしげていると、幸村くんが優しく微笑んだ




「ねぇ、なんで俺ら隣同士なんだと思う?」



『え?』


急に話題を変えられて戸惑う。それに、隣同士の理由…?
思い付く理由が担任の先生が適当だからしかないから、そう答えると幸村くんはすぐに首を横にふった









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