立海

□夏の昼下がり
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「なぁ、名前」


『んー?』


「いい加減、やめろよソレ」


『それー?』


なによ、それって?と名前が見つめれば、赤也は赤くなって視線をそらす


それは夏休みのとある午後のこと

赤也の部屋は窓を開けているものの暑い


暑いからだろう、名前は短パンにキャミという恰好


赤也はそれが気になるらしい


名前はそんなことも気にせず、ベッドの上で足をばたつかせながら、雑誌をめくっている


短いズボンから見える白い脚が、赤也の目を奪う

そんな自分に気づいてはっと我にかえって赤面する赤也


暑い〜と言いながら名前は太陽を一瞥した後、パタパタとTシャツで体に風をおくる


『赤也、アイス食べたい』


「いや、あの…うん、いいけど」


『何よー?歯切れ悪い』


名前は雑誌をたたみ、赤也の方に向き直る

名前の動きに合わせて、赤也のベッドがきしむ


『やっぱベッド使うのまずかった?』


「いや…」


名前の検討違いの質問に、赤也は口ごもる

彼女はそれが気になるらしい


『もー…さっきから何?言いたいことがあるならハッキリ言いなよ』


名前はふて腐れながら赤也を睨む


「……」


自分が考えていることを言ってしまったら、絶対に軽蔑されると思った赤也は他に言い訳を探そうと試みた


しかし虚しくも彼には良い言い訳など浮かばず、ますます名前を不機嫌にさせた


『…帰る』


「え、ちょっ…」


しびれを切らした名前はすくっと立ち上がり、ドアの方へと足を動かした


「ご、ごめんて!ちょっと待てって!!」


『………』


赤也は必死に彼女をなだめ、部屋に留まらせた


「(ホッ)」


『……』


一息ついたところで、名前からの視線が突き刺さる

本当のことを言うしかもう道はない

赤也は意を決して言葉を発した



「あの、さ…」


『……』


「引かないで聞けよ?」


『…うん』


名前はやっと話す気になった赤也に安堵したようだ


「その…服///!」


『服?』


単語だけ放たれても、名前に理解出来るはずもなく
彼女は頭にクエスチョンマークを浮かべる


「何か、着ろよ」


『…着てるじゃん?』


何を当たり前のことを、と言わんばかりの口調で赤也を見る名前

どうも彼女は、鈍感らしい


「だーーー///!!!もうっ」


『!?』


「だからっ!その服っ…!脚とか腕とかむっ……その、露出高すぎ!気になるだろっ///!!」


赤也は一気に言って、そっぽを向いた

言われた本人は一瞬惚けた後、少し顔を赤くした


『赤也の変態』


「なっ…!そんな服着てるアンタがわりぃんだよ///」


『顔が赤いぞー赤也くん(笑)』


「あっ、暑いからだよ!とにかくもっと服着ろ!」


『暑いからだよ』


「微妙に日本語おかしいだろ!」



あぁもうっ!と赤也は半ば諦めたように叫んだ後、名前に徐に近づいた




「…名前が悪いんだからな?」


暑い部屋で、彼らはもっと熱い口づけをかわし、あつさの中に溶けていった















夏の昼下がり





(赤也って、純粋かと思えばやるときゃやるよね)(お前さ…もっと女らしい発言と言動をしようぜ)






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出たよーベタ

かつイミフ




 

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