立海
□憂鬱からの脱出
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何度空を見ても天気が変わるはずもなく
雨、雨、雨、の一色
止む気配など微塵も見せず、
強さを増す雨に伴って
その雨音も大きくなっていく
雨の日は嫌いだ
憂鬱になる
今日は休日なのに
それに…
雨さえ降らなければ
赤也のテニスをしている姿が見れるのに…
普段なら、
雨でも練習がある
しかし今日は、
先日合宿があったばかりなので休み
「体を休めることも大切だからね」
って幸村部長は言ってたけど…さ
個人的にはやっぱり練習してほしいなー
マネージャーとして、
みんなが練習してるのを見る時間がとても好き
だから、
雨は嫌い
私の楽しみを奪ってしまうの
土日はいつも部活に出るから、
こんな時は何をしていいか解らない
赤也はきっと、
嬉々とゲームをやっているのだろう
〜♪
突然、
着信を知らせる私の携帯
発信者は…
[切原 赤也]
表示された名前に驚きつつも、
嬉しくてつい頬が緩んでしまう
『もしもし?』
《おぅ、名前か!今何してる?》
『んー何も…』
赤也の声を聞くと、
すこし元気になった気がした
《はぁ!?ただぼーっとしてたのかよ?》
『んー…』
《マジかよっ!寂しい奴〜(笑)》
『Σなっ!?そんなことないもん!!』
なんか、それって
ちょっとムカつく
私が友達もいない
寂しい子みたいじゃない
《ほんとかよ〜?じゃあ何してたんだよ?》
『……………』
《ほらやっぱ、何もしてねーじゃんっ♪》
『…強いて言うなら、』
《ぉう?》
『赤也のこと考えてた』
《なっ///!?》
あ、今絶対顔赤くなってるな
解りやすい奴
『ふふっ…』
《なっ、てめっ笑って…!》
『彼女にてめーとかなくない?』
《…わりぃ》
『解ればよろしい』
《先生かよっ!!ったく…》
…でもやっぱ、
『寂しい奴かも』
《は?》
『何もすることがない。彼女が寂しがってるんだよー…なんとかして?』
なーんて
無理を言ってみる
私って嫌な奴
ただ、
かまってほしいだけ
テニスをしてる赤也も
好きだけど
普通に恋人らしいこともしたい…なんて我が儘だよね
こんな気分になるのも、
やっぱ雨のせい
憂鬱効果…ってそんなのやだな
《何?俺に会いたいワケ?笑》
『………会いたいよ』
《…///》
赤也、照れてる…
普段私こんなこと
言わないもんね
私もなんか
恥ずかしくなってきちゃった
『あの、』
《今》
赤也が私の声を遮る
《名前の家の前にいるんだけど》
『…え!?嘘…』
《マジ。開けて?》
『…うん』
私は通話中の携帯を片手に、
玄関へ向かう
携帯に耳をあててみると、
確かに外にいるようだ
雨音がする
ガチャ…
ゆっくりドアを開けると…
「《よっ!!》」
目の前と携帯越しの声がシンクロした
「お、俺も、その…会いたくなっちまって///」
ガバッ
「!!」
思わず赤也に抱き着いた
うろたえる赤也が
とても愛しい
雨の日も、
たまにはいいかなー
なんて思ったのは、
雨には内緒
憂鬱からの脱出
(なぁ、上がっていいよな?)(うん///)(へへっ♪)(変なことしないでよね!?)(なっ///)(変態)(ひどい…)
んー………………
なんだろこれ…半端だww
おまけ→