GOBL

□たった今から、
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※少し構造あり


気に入らない気に入らない。白竜は何回も頭の中で繰り返した。白竜のイライラの原因は最近新しく入ってきたシュウという人物にあった。急に現れてエンシャントダークのキャプテンだと?元キャプテンであるカイはまったく気にしてない様子。それどころかシュウはおもしろいやつだよ、と笑いながら話す。今までずっと頑張ってやっとここまで辿り着くことができた白竜にとっては納得のいかない話だった。

「あ、シュウ。アイツがさっき話した白竜だよ」

「へぇ、彼が」

考えているとちょうどニ人がやって来た。

「おーい、こっちおいでよ白竜」

わざとなのか悪気なしなのか、と白竜は思いながらカイを睨む。カイは自分達のほうに白竜を呼んだ。そうなると行かないわけにもいかず、しぶしぶ向かう。

「改めて紹介するよ。これが白竜」

「これって言うな、カイ」

「じゃあ今から俺、呼ばれてるから行ってくるよ。シュウのことよろしく白竜!」

「オイ!」

止めようとした時には既に遅く、カイは行ってしまった。

「………」

「僕、シュウっていうんだ。よろしく。」

「…知ってる」

「え?本当?嬉しいよ」

白竜が自分のことを憎んでいるとは知らず、シュウは無邪気な笑顔を向ける。

「今、カイに色んな場所紹介してもらってたんだ。」

「そうか」

「今度は白竜が紹介してくれる?」

「え?」

聞く暇もなく、白竜はシュウに腕を引っ張られ長い廊下へ連れられた。

「まだここは見てないんだ!」

早く早くとせかされ、しょうがないと思い、白竜は案内を始める。

「ここはアンリミテッドシャイニングとエンシャントダークが使う部屋だ。お前の部屋もこの中にあるだろう」

「確かに…そうだったんだここ」

まるで子供のようなシュウに対し、だんだん白竜はわけのわからない感情を抱き始めた。そんな白竜にとどめをさしたのはシュウの笑顔だった。

「今日はありがとう!また何かあったらよろしく」

白流はその笑顔に自分の鼓動が速くなっているのがわかった。

「本当は嫌だった?」

「え?」

速くなっていた鼓動がピタリと止まり、また違うテンポで動きだした。なぜなら最初は確かに憎くて仕方が無く、シュウの言うとおり嫌だったからである。だが、今は違う。今日でわかったのだ。自分はシュウが憎かったのではなく、才能に嫉妬しているのだと。実際のシュウは子供のように愛らしく、面倒見のよいところもある。そんなシュウにどんどん惹かれていったのだ。

「そんなことない!お前と色々な場所を巡るの…楽しかったぞ」

「よかったー!実はね、僕はもしかしたら君に嫌われてるんじゃなかって不安だったんだ」

白流はもう気がついていた。自分の気持ちに。

「シュウ!」

「?どうしたの?」

「俺はお前が好きだ。たった今から、お前を全力でおとすことに決めた。覚悟しておけ」

「……え…ええぇ!!」

ほんのりシュウの頬は赤らんでいた。




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