好きだったよ

□プロローグ
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ドガッ!

ボゴッ!


静かな部屋にそのにぶい音が響いた。殴られ、蹴られる音が。私の方へ向かってくる総帥の足。私は未だにそれに慣れず、思わず目を瞑ってしまう。瞑った瞬間足が当り、痛みが走る。ああ、痛いな。

痛い

痛い、痛い、痛い


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

『いた…い…よぉ…』

あちこち痛くて涙が出そうになる。だけど、私に涙は出ない。そんなものとうの昔に枯れてしまった。涙の変わりに私は声を漏らしてしまった。

影「痛いだと?」


ゴッ!

私の痛いという言葉を聞いた総帥は顔を変えてまた私は蹴られた。

『〜!』

さっきまで出ていた声が痛みがすごくて出なかった。まだ声を出した方が気が紛れて楽だな、とふと思った。

影「お前が悪いんだ…お前が…ミスするから」

そうだ。

今回の試合、一点入れられたのはきっと私のせい。ううん、きっとじゃない。絶対だ。総帥は正しいことを私に言った。


すべては私が悪いんだ

みんなは悪くない


私が悪いんだ



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