GO夢小説
□君が望むなら
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『可愛いね、蘭ちゃん』
俺の彼女、要は俺を蘭ちゃんという。俺はこのあだ名が嫌でたまらない。だがしょうがなかった。なぜなら要は男性恐怖性だからである。要との出会いは最悪だった。なぜならちょうど要が犯された後、神童と俺が偶然要を見つけ、助けた。その時に要は男性恐怖性になった。しかし、神童と俺だけは信頼されている。
『私ね、可愛くて優しい蘭ちゃんが大好きだよ。』
「俺も大好きだ要」
本当はこんな好きと言い合う行為も恥ずかしくてあまりしたくはない。だけど彼女のことが好きというのは事実。要を手放したくなどない。
『ずっと一緒だよ?』
ずっと一緒にいたい。だから、俺は今を変えることができない。この会話も、要に対する態度も、二つに結んだ女らしい髪も。
「大丈夫か、霧野」
「?あぁ、要はもう大丈夫だ。俺達以外にはまだ目を合わすこともできないが、きっとそのうち…」
「違う!お前のことだ」
「は?何言ってるんだ神童。俺はなんとも…」
「自分のことも少しは心配しろ。だいぶ窶れたぞ霧野…」
神童はそう言って泣いている。
「大丈夫だよ、ありがとな」
泣いている神童をいつものように慰めた。神童は勘違いしている。俺は要と付き合うことが嫌だなんて思ったことはない。大変だけど幸せだ。なのに神童、なんでお前は…。
『さっき拓ちゃんと何話してたの?』
「部活の話をしてただけだ」
『…本当に?』
こんなの要の表情は今までに見たことがない。ただ言えること。それは狂気に満ちていたということだ。
『嫌だよ私…蘭ちゃんまで居なくなったら…もう生きていけないよ…』
「要…俺はずっと要の側にいる。居なくなったりなんかしない。約束しただろ、ずっと一緒だって」
『うん…だけど不安だよ…』
こんなに俺は要を追い詰めてしまっていたのか?こんな自分が情けない。
「要!」
思いっきり要を抱き締めた。強く強く。
『蘭ちゃん苦しいよ』
「ごめんな、ごめんな」
ひたすら謝り続けた。
『いいんだよ、蘭ちゃんがいてくれるならそれで…。絶対に離さないから』
「俺もだ」
要が望むなら何でもしてやれる。
神童、お前の言った通りかもしれないな。
狂ったのは俺なのか、それとも彼女なのか。
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