ブルーすかい。

□赤司邸へおじゃまします
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その後は敦が限界を迎えたようでバタンと机につっぷしてしまったので、仕方なく夕御飯にすることになった。
まぁ、もう7時だしね、そりゃお腹もすくか。








「待っていてくれ、すぐに用意してくる。」






「…用意…してくる?」






そう、赤司くんは確かにそういった。
用意させる、ならわかるけど、用意『してくる』ときたもんだ。
その言葉のとおり、彼は勉強道具を片付けてから部屋を出て行ってしまった。







「あ、赤司くんって料理するの?」







「赤司っちは基本なんでもできるっスよ。」







「まー、あいつができないってモン多分この世にはねぇな。」







どうやらお二人…敦も知っているのかもしれないが、彼からは応答がないので定かではない。まぁ、お二人はどうやらご存知のようで、赤司くんの帰りを今か今かと待ちわびていた。
でも彼が作るって言ったら…なんだろう、流石にフレンチが出てくるわけはないし…。
赤司くんが帰ってくるまでとりあえず3人でトランプでもしてようぜってことで、涼太がどこからかトランプを取り出すと、ばばぬきをすることにした。
まー、でも三人でしょ?すぐに誰が婆を持ってるかなんてわかっちゃうんだよ。
しかも涼太ってめちゃくちゃわかりやすいの。
私からばば引いた時なんてものっそいくやしそうな顔したし。
こういう時に分かりやすそうな大輝は何も表情変えなくて、何もわからなかった。くっそ悔しい!
そうしているうちにあたりにお醤油っぽいいい匂いが立ち込めてきた。









「すまない、待たせたね。」








そういった赤司くんが両手で持っていたのは大きな土鍋だった。
も、もしかしてそ、それはまさか…!








「赤司っちまた湯豆腐っスか!?」






「まぁ、赤司の作る湯豆腐うめぇけどよー…。」







「文句があるやつは食べなくていいよ、僕が食べたくて作ったんだから。」







「…俺たべる〜…。」







そこで敦復活。
どうやらこのお醤油っぽい匂いは、赤司くん特製ダレの匂いらしく、赤司くんが作った湯豆腐を食べるときには皆このタレを使うことを許されているらしい。
というか私は今激しく感動している。
まさか、あの湯豆腐大好きな赤司くんが作った湯豆腐を、その特製のタレでいただけるなんてこれまた夢のようだ!
思わず目を輝かせてしまっていたからか、赤司くんは私を見てぎょっとしたようだ。







「な、奈々、そんなにお腹がすいていたのか…?」







「…っへ!?い、いいいいやいやいや!違うよ!赤司くんが作った湯豆腐をまさか食べられるとは思ってなくてすごく嬉しくて!」







素直に思った言葉を吐けば、赤司くんも目を細めて私の頭をくしゃりと撫でてくれる。







「ありがとう、そう言ってもらえると作った甲斐がある。」








やっぱり誰かに嬉しい、おいしいって言ってもらえると自分も嬉しくなるものなんだね!
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