ブルーすかい。
□チョコ焼き
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「そういえばさ、大輝っていつから私のこと好きだったの?」
「ぶっ。」
そりゃ、付き会うことになったんだからちょっとは気になる。
そのまま手を繋いだまま、人ごみをかき分けかき分け、涼太のところの縁日の出店に行ったり、むっくんが女装しているところを見たり、さつきがクレープを台無しにして客引きに回ったのを聞いてホッとしてみたり、赤司くんが将棋部に道場破りに行ってるところを目撃したり、黒子くんがウエイターの格好をしてフラフラしているところなど、いろいろな場面に遭遇した。
まー、仕事がないってなんて楽ちんなの!
それはそうと冒頭に戻る。
「お前、よくも恥ずかしげもなくそんなこと俺に聞くよな。」
「恥ずかしくないわけじゃないよー!ちゃんと恥ずかしいもーん。」
「…そーかい。」
あっ、今こいつメンドくせぇって思ったぞ絶対そう思ったに違いない。
空いている方の手でガシガシと頭の後ろを掻けば、大輝は思い出すように空を仰ぐ。
その間、私はあたりをキョロキョロと見回し、面白い出店ないかなーなんて探してみたり。
今日は文化祭が4時までで、あと3時間ある。
その時だった。
「奈々ー!大ちゃーん!」
後ろからさつきの声が聞こえた。
くるりと振り返ってみると、そこには先程までウエイター姿だった黒子くんとさつきがいた。
「あれ、さつきだ。あと黒子くんも、どうしたの二人して、デート?」
「ちょっ!奈々変なこと言わないでよ!」
そんな私の軽口に顔を真っ赤にして照れるさつきは可愛くて仕方がない。
これだから可愛い子をいじめるのはやめられない(クズ)
チラリととなりを見ると大輝と黒子くんが何やら楽しげに話している。
…そう、しっかりとまだ私と手を繋いだまま。
「…そっちこそ、独り身へのあてつけかしら奈々…?」
「い、いやそういうわけじゃなくて…!ちょっと大輝!」
「あぁ?」
「あぁ?じゃなくて、手!」
「…あ?」
人前なのにどういうことか!
こいつ先程まで私の質問に対して恥ずかしがってたくせにこれは違うと申すのか!
わかっている癖に離さない、一体こいつは何をしたいのか。
「だって離すとお前はぐれそうだし…。」
「ガキ扱いされてただけだった!?」
「…ぶっ…な…奈々…ど、どんまい…ぶっふ…。」
「わ、笑うなそこォオオ!」
ぷーと頬をふくらませれば大輝とさつき二人して「あーりすだー!りすみたーい!」なんて笑ってくるし…!
くっそう!なんなのだよこの二人は!ぷんすこ!