ブルーすかい。

□1on1…しようぜ
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「…こうなるとは思ってたよ…さっきさつきの隣にいた時に大輝と涼太と真ちゃんが同じ目でこっち見てきたもん…。『1on1やりたい』みたいな目で見てきたもん…。」








「ハッ、わかってんならさっさと覚悟決めろよ!」






そ、そんなこと言われましても…!
バスケから離れて何年経ってると思ってるんですか…!
しかし、もう対峙してしまえばそんなことはお構いなしにこの目の前にいる男は私に向かってくるのだろう。
く、くっそう…さっきのときめきを返せ!
PGだった私は1on1が得意な方ではない。
まぁ、でも当時のバスケ部の中では群を抜いて強かった。それは誇りに思っている。
だけど、この目の前の彼にどこまで通用するのかわからない。
フォームレスシュートなんてあれ反則技だろう!
さつきが審判をしてくれることになり、とりあえず皆、というか赤司くんを抜いた他のキセキを抜いたメンバーに見守られながら1on1を開始することになった。
笛がなると、ゆらりと彼の体が動いたと思ったらすでにもう目の前にいた。
そして気がついたときにはゴールネットが揺れていた。







「は…っや…。」







「おいおい、こんなもんじゃねーだろお前。本気でかかってこいよ。」






そんなこといわれましても!
目の前で繰り広げられたのは本当に人間技なのか。
何が起こったのか全くわからなかった。
グッと下唇を噛み締め、今度は私の番だとボールを渡された。
私には超ロングシュートがあるというのを踏まえてか、彼のマークの位置はあらかじめ近かった。
スピードでは勝てない。
前にもいったがボールさばきの技術には自身がある。
カラダの力を抜き、すべての真剣を指先へと集中させる。
とにかく、この目の前の男を抜かなければならない。
目を閉じ、一回深呼吸をして、再び目を開けた時に、私はそのまま彼の右へと体を動かした。
そりゃぁ彼はそのまま右へと体を動かし、私の進路を遮る。
そこから左、に体を動かすと再び体で進路を遮られる。
だが、もうその時点で私の手にはボールはない。
それに目がいってしまったか、大輝はとてつもなく驚いた顔をする。
重心が左に傾き、これではもう右へと素早く体を動かすことができない。
それを見た私は再び右へと体を運び、そしてその時、上から落ちてきたボールをキャッチしてそのまま大輝を抜き去る。
そして安全にレインアップでゴールを決めた。








「な、に…が。」







「うっそ…奈々、大ちゃん抜かしちゃった…。」







どうやら私は中学生で最強の男を抜いてしまったらしい…?
というかまずこいつなんで普通に私に話しかけてきたんだ…?
なんで今まで避けられてたのかまだ理由分からずじまいんだんだけど…。
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