ブルーすかい。
□1on1…しようぜ
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「奈々っスよね!?ね!?」
「お、覚えててくれて嬉しいよ涼太…。」
そりゃもう一番にこっちに駆け寄ってくるのはわんこである涼太。
あぁ、身長が変わると結構見てる感じ変わるんだ…というか身長が高くなったせいで涼太の顔が余計によく見える。
スッと通った鼻だちとか綺麗な目とか長いまつげとか。
「…やっぱイケメンだな涼太…。」
思わず口に出してしまっていたらしく、慌てて口を塞ぐももう遅い。
涼太はパァアっと明るい笑顔を浮かべてもうそりゃ見た目が男みたいだからってお構いなしに私に抱きついてくる。
「ほんとっスか奈々!俺めちゃくちゃ嬉しいっスよ!奈々に言われてるから嬉しいんスからね!」
いやもう、お世辞ではないですけれど…だって真面目に綺麗なんだもん、こいつの顔。
気がつけば回りには黒子くん、大輝、真ちゃん、敦がいて、みんなまじまじと私を見てくる。
というか大輝は私を避けてたんじゃないのかい…!
ダラダラと冷や汗をかきながら私は涼太の熱い抱擁をおとなしく受け止める。
「それにしても本当に男みたいですね奈々さん。黄瀬くんに負けじとモデル顔ですし。」
「奈々ちんかっくいー!」
黒子くんも敦もなぜか近くでまじまじと私の顔を見てきて本当になんなのこの状況…。
ていうか黒子くんが私よりも小さい!!!!なんか新鮮!!
今さっきまで見上げてたからか、とたんに彼が可愛く見える。
そんな彼らに癒されていると、いきなりふっと体に感じていた圧迫感が消える。
「おい奈々。」
「ふぁっ!?」
久方ぶりに、名前を呼ばれ、ドキっと胸が高鳴る。
そして、その久しぶりに見る笑顔に、顔に、すべてにドキドキする。
どうやら、涼太を私から引き剥がしたのは彼のようだ。
キュッキュッとスキール音をその場で鳴らし、彼は挑戦的な目で私を見つめてくる。
…あっ…なんかドキドキしてたけど、なんかやばい気がしてき…。
そう思って逃げようとした時にはもうすでに腕をがっしりと掴まれていて、
「暇だろ?1on1、やろうぜ。」
「嘘だろおおおおおおおおおおおお!?!??!?!??!?」
ずりずりとコートに引きずり込まれていった。