ブルーすかい。

□ミネラルウォーター
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どんぱらどんぱら。

とわけのわからない音の花火が上がり、いよいよ平日の部の文化祭が始まった。
どうやらこの日はある意味のデモンストレーション的な感じで各模擬店で問題がないか、また校内で危ないところはないかのチェックを行いながら進行するらしい。
だから副生徒会長である赤司くんは生徒会のメンバーで行動しなければならないらしく、今日は部活の方には顔を出せないらしい。






「あーあ、赤司くん目当てでくる子もたくさんいただろうに…。」






そんな中私とさつきはとりあえず部活の方での準備を手伝うことに。
バスケ部の出し物を学校中が楽しみにしているらしく、とりあえずクラスより部活を優先しろと皆言われてここに集まっているらしい。
まぁ、そりゃあ…普段試合をコートの外、というか観客席から見ているような凄い人たちとバスケの試合をすることができるのだ。
というかそれより多分女の子のお客さんが多いんじゃないかなぁって思うんだけど…。
そういう人たちのために一応カフェなるものを用意している。
カフェっていうか…うーん、なんだろう。前にも言ったとおりホストクラブをイメージしてるからそんな感じの雰囲気を醸し出しているような…カフェ←
回転するのは午前10時からとして、テーブルクロスを引いたり、コートの整備をしたりとマネージャーや2軍、3軍の子たちで準備をしているのだが、すでに体育館の外には長蛇の列。現在午前9時。








「うっひゃー…これは明日の大変さが目に浮かぶようだよね…。」







「うん…私クラスの方手伝いに行けるかなぁ…?クレープ焼かなきゃなのに…。」






そこで思い出した。








「あ…そ、そういえば、さつき、クレープ、焼く係り、なんだっけ…?」







「うん!前に行ったじゃない!ちゃんと大ちゃんと仲直りしてうち来てね!」






「お、おう…。」







そうだったああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
まって、今までバスケ部の出し物の準備で忙しかったり大輝とギクシャクしたり赤司くんといろいろあったりして忘れてたけど、さつきのクラスではさつきがクレープを焼くことになっていたんだった!!!!
…こ、これはまずい…。
さつきのクレープを食べるくらいならまだ大輝とちゃんと話し合わなくてもいい気がしてきた…。
ちらりと隣のさつきを見ると、ふんふんと鼻歌を歌いながら準備を進めている。
…こ、これは行くしかなさそうだ…。
あぁ神様女神さま…どうかさつきのクラスの子がさつきに「クレープ焼かなくていいよ」っていいますように…!
目を合わせて手を合わせていると敦が後ろから抱きついてきた。







「奈々ちーん…お菓子ないー…?俺もう疲れたー…。」






「お菓子ー?うーん、今は持ってないかも…ここの準備が終わったら一回更衣室いくからその時にまいう棒持ってきてあげるね!」






「わーい!」







本当にもう敦はかわいい。
どれくらいかわいいかっていうと、世界一かわいい。話してて癒される。
でもまぁ、このめんどくさがりのくせは中学生のうちにどうにか直してあげないといけないかもしれない。
高校に行ってこれだと多分大変なことになる…!
私があとでお菓子をあげる約束をすると敦は軽くスキップをしながらコートのところにいる黒子っちのところに駆けていった。
あの二人、部活以外だと仲いいんだよなぁ…。
そして黒子っちの隣にいる大輝が目に入り、思わずドキっと胸を高鳴らせてしまう。
いけないいけない…平常心平常心…。







「奈々。」







そんな様子を見てか、さつきが少し不安げな顔をしてこちらを見つめてきた。
私はへらりと彼女に笑い返すと、「頑張ろうねさつき!」と声をかける。
その私の言葉にさつきはコクリと笑顔で頷いてくれた。
よっし、とりあえず今日を乗り切ろう…!
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