ブルーすかい。
□文化祭前日
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「奈々!昨日は赤司くんとデートどうだったぁ?」
とニヤニヤと話しかけてくるのはさつきで、このこのぉと肘で小突いてくる。
現在、体育館で遮光カーテンを取り付け、外からの光を遮ってバーのような雰囲気を醸し出そうぜっという案が出たので実行中らしい。
その体育館の片隅では、昨日購入したスーツの試着会ということでキセキの皆様に集まってもらった。
今現在、彼らはスーツに着替えているので更衣室だ。ということで私とさつきは会場作りの監督役を引き受けている。
…といっても体育館の片隅でくっちゃべっているだけだが。
「そんなさつきさんは黒子くんとどうだったんですかぁ???」
「なっ!ちょ、それ卑怯だよ奈々!」
「あっはは!」
さつきへの対応策はすでに出来上がっているのだよ!ふはははは!
というか黒子くんの名前を出しただけでここまで赤くなれるこの子スゲェ。
てか昨日真ちゃんこの二人とずっと一緒にいたのに、大丈夫だったのだろうか。
なんていうか、さつきのこのピンクオーラというかなんというか…。
…でも真ちゃんあれだ、にぶそう。わからなさそう。
真っ赤になったさつきと爆笑しながら追いかけっこをしていると、ガラガラと体育館の扉が開く。
どうやら、キセキのみなさんのおでましのようだ。
遮光カーテンが取り付けられあたり真っ暗。おまけにライトは机の上にしかないので、真っ黒なスーツを身につけている彼らはよく見えない。
が、だんだんに目が慣れてくると徐々にだが彼らの姿が浮かび上がってくる。
お、おぉ…あと少しで全体像がはっきり見えそう…。という時にバッとスポットライトが彼らに当てられる。
「…あかちーん…まぶしい。」
「…さすがに僕もここまで歓迎されるとは予想外だよ…。」
「ちょっと!黒子っちがいないっスよ!?」
「…僕ここにいます。」
「光が強すぎて余計にお前がどこにいるかわからなかったのだよ。」
「…。」
ライトに照らし出された彼らはそりゃもう、放出されるホスト臭←
皆自分のカラーである色のネクタイをしているため、赤司くんは赤、涼太は黄色、大輝は青、敦は紫、真ちゃんは緑、黒子くんは黒。…というか黒子くんは黒ばっかだな…。
体育館内で気持ち悪い歓声(だってすべて男だもの)が上がり、しばらくはえんやわんやのお祭騒ぎ。
文化祭は明日、明後日ということで、みんなのテンションもだだ上がりだ。
「や…やだ…!テツくんが一番かっこいい…!」
「でたよさつきの黒子くん贔屓…。」