ブルーすかい。

□お買い物に行きましょう
2ページ/3ページ







「僕がいいなって思ったのは4件目のところかな。」






「でもあそこむっくんのサイズなかったよね〜…。」






「仕方ないから敦のものは7件目のあそこで購入しよう。」






「あいあいさー!」






午後5時30分といってももう日は沈みきっていた。
お店のライトのせいであたりはまだまだ明るいが夜なのには変わりない。
そして中学生である私たちはあまり遅くまでいると補導されてしまう。
メモを整理したりしていた影響で今は赤司くんと手を繋いでいないのだが、「はぐれると大変だから」と赤司くんは私の肩を自分の方へと引き寄せて歩いていた。
その動作がすごく自然で、「彼女いたことある?」と思わず聞いてしまったのだが「ここまで勉強とバスケしかやってこなかったから女の子に関心を向ける暇もなかったよ。」と笑われてしまった。
まぁ、そうやって赤司くんとお話をしながら4件目のお店でむっくん以外の5人のスーツを買い、7件目のお店でむっくんのスーツを購入してやっと終わった。
6着もスーツを買うとそりゃぁかさばる。
だからひとつ位持たせてくれてもいいのに赤司くんは






「女の子に重たいものなんて持たせられないよ。」






とひょいっとすべて持って行ってしまった。
む、むぅ…力になら自信あるのに…。
とりあえずもう夜も遅い(といってもまだ午後7時)ということで、解散することになった。
まぁ、解散、といっても赤司くんは頑なに私を家までおくっていくと言い張るので、しょうがなく送ってもらうことにした。
…しょ、しょうがなくなんていったら赤司様ファンの子に怒られそう…!ご、ごめんなさい…!でも男の子でも夜道をひとりで歩くなんて危険なのよ…!
帰りの電車の中ではさすが帰宅ラッシュということで満員御礼ですね、電車様。







「すごいな…。」







赤司様はやはり電車はあまり乗られないのですかね!
ぎゅうぎゅう詰めになった電車の中を見てすごく驚いてらしたわ!

ちなみにスーツは赤司くんのお手伝いさん(?)に取りに来てもらってひと足お先に赤司邸へと運び込まれた。
だから私たちは身軽になって電車の中に乗り込んだのだがこれがもう辛いったらありゃしない。
ドアの部分を背もたれにして私がたち、その前に赤司くんが立つ。
まぁ、必然的にこう、ね、壁ドン状態になるわけですけれど…。







「赤司くん大丈夫?」






「練習に比べたらキツくもなんともないよ。奈々は苦しくない?」






「うん、平気だよ。」






そう、なんとなく、赤司くんが私のために空間を作ってくれているのだ。
何この電車の中で彼氏にやってもらいたいことベスト10に入るようなシチュエーション。
ふと隣を見ると女子高生…?の二人組がたっていて、赤司くんのことをチラチラと見ては顔を赤らめている。
い、いやぁ…やはり彼もてますな…!
そんな彼の顔を見るために見上げると私が見ているのに気がついたらしく、ふんわりと微笑み返してくれた。あ、あの、至近距離でその笑顔を見せられるときついのですが…!ま、眩しい…!
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ