ブルーすかい。

□崩れるココロ
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一番最初に間髪いれずに話し始めるのはやはり赤司くんだ。
何も思っていませんよ、とかいう顔しながら背後にはしっかりと黒いものを背負っている…え、えとなんで今背負ってるのかなぁ…?
まぁそんな彼は仁王立ちが大変お似合いでいらっしゃってですね…、さ、流石天帝ですわ…!





「え?今日発売のいつものファッション雑誌っスけど…。」






そんな赤司くんのオーラに気がつかずに平然と返答するお前もお前だよ涼太!?







「ふぅん…、桃井、君が持ってるそれって、そのファッション誌かい?」






「え?え、えぇ、と、うん、そ、そうだよ…。」






さ、さつきまでもがなんでかわからないけど八つ当たり食らってる!?
さつきは顔を青ざめさせながらも自身が持っていた雑誌を赤司くんに渡していた。
…さつき…かわいそうな子…!






「赤司っちなんでそんなイラついてるんスか〜?カルシウム足りてないんじゃないスかね、
牛乳飲むっスか?」






イライラさせてる原因お前だよお前ぇえええええええ!!!!!!!
ていうかなんで懐からパック牛乳出てくるんだよ!?お前あれか!自動販売機か!

赤司くんはそんな涼太を総スルーして雑誌をペラペラとめくる。
…なんか赤司くんがファッション誌見てるっていう図新鮮だなぁ…。写真撮っておこ。
…ククク、いいか貴様ら、私が持っているのはスマートフォンだ!無音のカメラなんてアプリでもう取得済みなんだよ!ほら!もう撮った!画面の中では赤司くんが雑誌とにらめっこしてる図がばっちり記録済みさ!

と、私がふざけている間にも彼はどんどんとページをめくり、彼の後ろには涼太と赤司くんを除く他のキセキメンバーが後ろから覗き込んでいた。
そして、「あぁ、これか。」とページをめくるのを赤司くんはやめた。
とりあえず、あの例の写真だけはみんなに見られないようにしなくてはならない。
幸いなことに、あの写真があるのは左のページのちょうど雑誌をもって読むときに手で隠れるような位置に存在している。
多分あの赤司くんの持ち方から行くとちょうど今隠れてるはず…!
さりげなーく、みんなの輪に入り、私も一緒に雑誌を見る。
あぁ、よかった、例の写真は隠れている。このまま次のページに行けば問題ない…。

…が、そうもいかず、皆様しげしげとその2ページをご覧になってらっしゃってですね…!






「奈々ちんかわい〜。」






「ほう、ちゃんとすればちゃんと見えるものなのだよ。」





「緑間くん、可愛いと思ったならば素直にそう言ってあげてください。」






「奈々、今度一緒にどこかへ行こうか。」






もー、そりゃ皆様褒めてくださる褒めてくださる。
涼太は先ほどの赤司くんからの総スルーから見事立ち直りまるで自分の彼女を褒められているかのように「でしょでしょー!」とどこか鼻高々だ。
私はとある人の意見も気になり、チラリと青髪に視線を動かす。
が、そんな彼は、雑誌からフイと視線を外すと先程まで座っていた自分の席に戻り、前に教室で見ていた肌色雑誌を読み始めた。
…あ、あれ…?
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