ブルーすかい。

□崩れるココロ
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さて、と。
こんにちは奈々です。
学校内は文化祭一色でとにかく皆一生懸命です。
文化祭の準備期間である一週間はテスト勉強という名の勉強会は免除してもらいました…。
いや、免除してもらわなければ辛いほど結構準備ハードなんですよ…まじ…。
足りないものあったらすぐに買い出しに行かないとだし、買い出しに行ったら行ったでちゃんとお金計算しておかなきゃだし…。
それに…





「奈々…っこれどーゆーこと…!」





そう、まぁ、準備期間ということで部活もないため、部員たちとあまり顔を合わせることはないのだが、今日はちょうど部活内での準備もかねて部員が集まっている。
まぁ、集まっているといっても赤司くん、真ちゃん、大輝、黒子くん、敦、さつき、私、くらいなのだが。
涼太はどうやらクラスの準備に捕まっていて遅れてくるらしい。
今現在私の目の前にはとても必死な顔をしたさつきが座っているのですが、身を乗り出しているので座っているというのには語弊があるかもしれないです…はい。
まぁあまり大声で話すと赤司くんに怒られてしまうため、一応小声で話す私たち。
実は今日は金曜日。ちなみに文化祭は来週の金・土で行われる。
みなさん、金曜日と聞いてなにか思い出しませんか…!





「な、なんできーちゃんの特集で奈々が出てるの…!」





思い出していただけただろうか…!
そう、前に涼太に引っ張られて撮影会に参加させられたじゃない…!
いや、楽しかったけど…!サンドイッチ美味しかったけど…!
その、その曰くつきの雑誌がついに発売してしまったのだ…!

でも気がついたのはさつきしかいない。
ほら、結構ばっちり化粧してるし、まさか涼太の特集ページのトップに使われてる写真にこんな平々凡々な奴が使われてるなんて思いもしないだろう。





「あ…あはは…。」




「いやいや…私が聞きたいのは奈々の苦笑いじゃなくて…!」





もう苦笑いしか出てこないよさつきさん!
別にどうもこうもない、涼太にどうしてもと頼まれたから撮影会に参加させていただいたのだが…!
でもまさか…!まさか…。
さつきが先ほどから指を指しているのはトップに使われている街を楽しげに歩いている私たちの写真ではない。その隣のページのコラージュっぽい感じのページのとある写真。






「これってどういうこと…!キスしちゃったの…っ!?」





あのきせりょが鼻の頭にキスした写真がこんなに綺麗にキスしてるように見える角度で撮られていただなんて!?
もう私の口から言葉というものは出てこない、ただただ目を泳がすだけだ…!
いや、真実を言えばいいのかもしれない、だけど、なんか、ここでそんなこといってもなんかこう言い訳にしか聞こえないというか…!というかもう目を泳がせている時点で信用度下がってるもんね!?

私が目を泳がしている最中にもさつきはじぃいいいっとその力強い目力で私をガン見する。
い、いやぁ…美人にこんなにも見つめられるなんて私って罪なやつ…ごめんなさい。




「い、いや、あの、それ別に口にしてるわけじゃなくて、鼻の頭にされて…。」




ごにょごにょと言えば、「もー!最初から早くそう言ってよ!」と怒るさつき。
でもまぁ、この写真の相手の女の子がまさか私だなんて誰も気がつかn





「奈々〜〜〜〜〜!!!!雑誌見たっスか〜〜〜!!!俺らめっちゃ絵になってるっスよね〜〜〜〜!!!!!」




「っあぁ!?」




おいいいいいいいいいいいいいい!?!??!?!?!??!
なぜ!?そのタイミングで!?相手の女の子が私だと!?ばらしてしまうの!?黄瀬涼太!?アンタアホですか!?

その瞬間、バッと集まる視線。




「…涼太、雑誌、ってなんのことかな?」
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