ブルーすかい。

□文化祭とかいうリア充行事
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みなさんは文化祭と聞くとどのようなイメージを思い浮かべるだろうか。
模擬店だったり、クラス一丸となって準備をしたり、はたまたリア充たちのテンションが著しく上昇していたり…。
まぁ、人それぞれのイメージを持っていると思う。

というかぶっちゃけ中学生で文化祭なんてやるとは思っていなかった。
てか私の生きていた時代では中学校で模擬店出すとかそういうレベルの文化祭なんてやった記憶がない。
…のだが!





「えーっと、じゃあとりあえずやりたい物の案出してってー。」




今現在、学校全体で文化祭の出し物を決めるために授業の時間を割いてクラスの中で話し合いを行っている。
教壇に立つ学級委員の女の子とその隣に立つちょっと気が弱そうな男の子が皆から案を聞きそれを黒板へと書き出す。
ざっと見たところ、射的、お祭屋台、喫茶店、焼きそば、お好み焼き…などなど。
まーどれもこれも準備が大変そうなものばかりだ。
チラリと隣の席を見てみるとこれまた珍しく起きていて結構真面目に何かを読んでいる。
話し合いの場で何かほかのことをしているというのはあれだが、読書ならば目をつむろう。
一体何を読んでいるのか、と首を伸ばして中身を覗いてみると…。




「いや、だと思ったけどさ…。」




そんな堂々と真昼間っから肌色一色の本読むなよ!?
というかお前まじでどっから仕入てるのその本!?
読んでいる張本人はパラパラとページをめくりながらにやけるでも鼻の下を伸ばすでもなくただ黙々とその肌色の多いいわゆるエロ本とかいうやつを読み進めていく…いや読み進めるっていうかなんていうか…眺めているというか…?
私が盛大なため息をつくと中身を見られたのを気づいたのか彼はゆっくりと顔をあげてこちらを見る。




「なんだ奈々、お前こういうの興味あんのか?貸すぞ?」





「見ないからね!?」




何を言い出すのかと思ったら!
全く、お姉さんは悲しいぞ!とか内心気持ち悪いことを思いながら視線を外す。
それと同時に隣の彼は再び肌色本へと視線を戻した…と、というか大輝の反対の隣の人は気がついていないのかな…と少し椅子を後ろへとひいて様子を伺うと、まぁこれまた顔が真っ赤。
大輝の右隣が私で、左隣は男の子なんだけど、この反応の違いはどうしたものか…。
というか彼の反応が普通の中学二年生の反応なはずなんだけどね!?
この黙々とエロ本読んでいる男の頭の中見てみたいよ全く…。
そして私はとりあえず黒板に視線を戻して話し合いに耳を傾けるとどうやら我がクラスの出し物は決まったらしい。






「では!うちのクラスの出し物は喫茶店に決まりましたー!
 女子の服装はメイド服、男子はタキシード、これからメニューについて話し合います!」





…なぬ!?





「メイド服か〜、ちょっと恥ずかしいね〜。」





「まぁまだ男女逆転って言われるよりよかったんじゃない?ほら、青峰くんのメイド服姿なんてさ…。」





「た、タキシードとか…!あれだろ…!?あの、新郎が着るような奴着るんだろ…!?
 あぁー、俺人生の中で一回も着ずに終わるかと思ってからちょっと嬉しい…!」





「んな虚しくなるようなこと言うなよ…。」




クラスの中はもうみなさんテンション上がりまくりでキャッキャウフフ状態。
全く話し合いに参加していなかったわけではないけれど重要な部分を聞き逃していた私にとっては結構ショッキングな話なんだけど…。
め、メイド服ってあれですよね…「おかりなさいませご主人様(はぁと)」みたいなこと言ってる人たちが着る奴だよね…!?
い、いやほら、ちょっと洋風のお金持ちのお家にいるお手伝いさんとかも着てるじゃん…!そう考えればいいんだよ…!うん!

それにしても男はタキシードか…。
大輝が着ているところを思わず想像してしまい、顔が熱くなる。
なんか、ずるいぞ…!
ちゃんと着ているところは想像できなくて、なんだか少しはだけさせている姿を想像してしまう。
それが妙に様になっていて、もう、あれだ、ずるい。
ちらりと再び横を見ると彼と目が合ってしまい思わず目をそらしてしまう。
いや、やばいって、これはやばい。
高鳴る胸を押さえつけ、なんとかその日の話し合いは終わった。
メニューの話全く聞いてなかったけど、まぁあとで確認すればいっか…。
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