ブルーすかい。

□ナイショの話
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すると彼は




『俺、お前のケー番知らねーんだけど。』





とどこかすねたご様子。
そういえば確かにさつきに教えたっきり、他のバスケ部のメンバーに連絡先を教えていないきがする。






「あー、そういえばそうだったねぇ…。」






やっぱり教えておいた方があとあと楽なのかなぁ、なんて考えながら彼の返答を待った。
が、電話にキャッチが入ってしまう。
もう時計を見れば午後11時でそろそろ彼も寝かせたほうがいいだろう。








「ごめん、キャッチ入ったから切るね〜、あとちゃんと寝なさいね〜。」






「あー。」






まったくもう…返事くらいちゃんとしなさいよ!
そう思いながら一旦大輝との電話を切り、キャッチした電話の方を見ると全く知らない番号。
間違え電話とかだったらころすぞオラァとか思いながら「もしもし」と出る。






『…よぉ。』





「…は!?」






紛れもなく、それは先ほど電話を切ったばかりの相手、大輝だった。





「ちょ、まち、なんで?」






『簡単な話だろ?さつきの携帯のアドレス帳からお前のケー番引っこ抜いてきて俺の携帯でお前の電話にかけて…。』





なるほど、ガテンが言った。

でもわざわざ大輝の携帯からかける意味!





『なんつーか…あれだわ、あれ。
 自分の携帯じゃねーと落ち着かねぇ。』






「そ、そうですか…。」






彼の破天荒さにはほとほと呆れる。
だが、この男に惚れてしまったのは事実だ。
自分自身に思わずため息。
すると受話器の向こうから大きなあくびが聞こえてきた。
やはり眠たいらしい。というか多分さっきさつきに起こされたんだもんね…。
…っていうか大輝そんな早くから寝てるのになんでいっつも授業中寝てるんだろう…。
私が中学生のときは授業中に眠たくなるってことなかったのになぁ…。

…高校生になったら不思議なくらい眠たくなってずっと寝てたけどね…。
あの時に黒子くんのミスディレクションがあったらどんなに楽だったか…。






「ねぇ、もう寝たら?」






『…んー…。』





ベッドに寝転がったのか、布団の擦れる音が聞こえる。







「ほら、だから電話を切って…。」






『…切んな…。』





「…えっ?」





ぼそりと聞こえた言葉は、彼にしては珍しい甘えたような言葉で。







『なんか、お前の声聞いてたい。』





思わず、そんな言葉に胸を高鳴らせてしまう。
そ、そんなこというから、余計に意識しちゃうんじゃない…!
真っ赤に染まったほほに手を添えて一生懸命冷やす。
そして深呼吸を軽くしたあとに、再び受話器から聞こえる音に耳を澄ます。
が、何も聞こえない。






「も、もう寝ましたか…?」





『…起きてる。』





「あの、眠たいなら寝てもいいんだよ?」





『やだね。』





一体この子は何をしたいのだろうか?
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