ブルーすかい。
□試合開始!
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「ということで今からミニゲームをする。
10分間の1クォーターで試合を進行させる。
審判にお前とお前、得点板はお前な。」
テキパキとした赤司くんの指示で1軍の人たちが準備を進める。
い、いやぁ…それにしたって…。
「おい赤司、メンバー間違ってんぞ。」
「いえ、そのままでいいんです。」
虹村先輩が文句を言うのも無理はない。
「ほらー、奈々ちん息吸ってーはいてー。」
「大丈夫だって、単なるミニゲームだし。」
「いや、でもなんでその単なるミニゲームに奈々がいるんスか!」
なんたって虹村先輩の相手のチームにはマネージャーでありそして女である私が混じっているのだから!!!!
「やっ、つってもよ赤司…。」
「大丈夫です、やればわかりますよ。」
「んん…。」
虹村先輩はやはりここに私がいるのが気に食わないらしく、じろじろとこちらを見てくる。
今日の体育での私を見ていない青峰くん、赤司くん、緑間くん以外はもうここになぜ私がいるのかざわめいていた。
「じゃあ僕、奈々、大輝、涼太、間宮は赤のビブスを着て、虹村先輩たちは白で試合を進める。」
赤司くんの指示で次はさっちゃんが私たちのチームの選手にビブスを渡していく。
さっちゃんはなぜここに私がいるのか全くを持って不明らしくずっと挙動不審である。
「な…奈々…!赤司くんにいじめられてるとかならちゃんと言ってね…!相談くらいにはのるから…!」
「そこ助けてくれるじゃないのさっちゃん!?」
「赤司くん敵に回したら怖いもんんんんっ!」
おそるべし赤司様。
まぁ、そんなさっちゃんと二人で笑い合ってからビブスを受け取るの…だが。
「…あぁ、やはり男物は奈々には大きかったか…。」
見ての通りぶっかぶか。
ワンピースビブスって別に可愛くねぇやフンッ。
手首に巻きつけてあったゴムを適当に取り、腰のあたりで片方をぎゅっとしぼってからゴムで止める。
…よっし、これで動きやすくなった。
「問題はないようっスね…。で、でもぶかぶかのビブスを着た奈々もかw
―――ゴッ
…青峰っち痛いっす…。」
「あー、わりぃわりぃ、体伸ばそうと思って腕上げようとしたら当たっちまったわ。」
まぁ険悪な空気になってきたところで青峰くんと涼太以外のみんなは盛大なため息を付き、試合をスタートさせることにした。
「じゃあ、お互い手加減はいらないね。
全力、とまではいかないけれどまぁ、それなりに頑張ろうじゃないか。」
ピーッ!
笛の音と共にボールが宙へと舞った。