ブルーすかい。

□体育の時間。
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「…っは!」





気がついたら朝だった。
今日は月曜日、学校に行かなくてはならない。
どうやら昨日、き…涼太に勉強を教えながらそのまま寝てしまったらしい。
ベッドで寝ているらしく、しばらくそのふかふかとした感触に身を預ける。
ベッドで寝ている、という点ではたぶん涼太が運んでくれたんだろうなーなんて考えた。
たぶん彼ならきっとそうしてくれるだろう。
だから目を開けた瞬間に飛び込んでいた黄色に私は拳を投げつけることしかできなかった。





「ったー…あ、おはよっス奈々!」




「なーにが『あっ、おはよス』じゃ!!!!
 人の部屋になぜいる!というかなぜ一緒に寝ている!」




「そんなの奈々が悪いじゃないスかー…。
 いきなり反応なくなったなーって思ったら寝てたし…。」





「そ、それは私も悪いとは思ってるんだけども…。」




確かにそりゃ寝た私が悪い。
そんで鍵を閉める人もいなかったから部屋から出て行くわけにもいかなかったという。
そうなれば確かにここにいるしかない。
そしてお客をさすがにソファで寝かせるわけにはいかないだろう。
しかもちゃっかり腕枕してもらってるし私なにしてんのアアア。
目の前にある整った端正な顔に思わず顔を背ける。
朝からこれは刺激が強い。
そんな私の反応を見てか目の前のやつはニヤニヤし始めるしなんなの。




「奈々ってまさかこういうのしてもらったことないんスか?」





「当たり前じゃん…人をなんだと思ってるんだ…。」





「やりー!奈々の初めてゲットっスよ!」





合間見せる笑顔がまぶしい。
朝日ばりにまぶしい。
イケメンってだけで罪なのにさらにプラスめちゃくちゃくっついてくるっていうオプション付き。





「ほら!早くしないと遅刻しちゃうっスよ!」




彼はよいしょ、と器用に起き上がると同時に私の体も起こしてくれて、ベッドからようやく起き上がる。
迷惑をかけたお詫びとして朝食をうちで食べていってもらうことにした。
そんな彼は「奈々、毎朝俺のために料理作ってくれてもいいんスよ?」とかほざいていたが華麗にスルーを決め込んだ。
なにサラッとプロポーズしてやがんだこいつ。
まぁそんなこと言っている暇もないのでササッとトーストと目玉焼きを彼に出して、私は夜ご飯のためのお米をといで炊飯器にセットをする。
そしてトーストをかじりながら服をその場で脱ぎ、制服に着替え…





「奈々…朝から刺激強いっス…それか俺に襲って欲しいんスか?」





「ダアアアアアアアアアアアアアアア忘れてたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」





そう!この!黄瀬という存在を忘れていた!
普段何気なくご飯食べながら着替えているのがバレてしまう!
とかそれ以前にこの下着姿をどうにかせねば!
そこからの私の行動は素早く、キッチンの影にサッと隠れてその場で脱ぎ捨てたワンピースをボフッとかぶる。
…ふぅ、これで一件落着…!
幸い寝るときも下着をつける派な私。
というか人が来るってわかっている時に下着をつけないとかいうのはちょっと…。
だからまだよかった、ノーブラじゃなくて!

それでも彼の目には先ほどの私の下着姿がしっかりと焼きついているわけで。





「あー…今晩のおかずは困りそうもないっス…。」






「健全男子ィ!!」




今宵となりの部屋でなにが行われているのかは想像しないようにしよう…あぁ…なんでこんな奴と部屋がとなりなの…。
というか最初の涼太への態度はどこいったの私…!
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