ブルーすかい。

□家庭教師⇒モデル!?
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結局あのあと10時あたりまでむっ…敦は我が家にいた。
次の勉強会はまた三日後ね、というと「今度もお夕飯一緒に食べたいー。」なんて可愛いことを言ってくれたので笑顔で頷いて了承した。

そして今日は部活が休みのため、黄瀬くんにいつ勉強を教えようか、と思っていたのだが…





「だからお願いっス!!!今日一日だけでいいっスから俺の彼女役引き受けてくれないっスか!!!」





なぜか今現在目の前でお願いされている。
そして意味がわからないことを発している。
あれか、シンデレラ作戦でもやろうとしているのか。
一日彼女彼氏を演じたあとになんだかその後意識してしまって気がついたら本当に彼氏彼女になってるっていうあれをやろうとしているのか。
と思ったが実際話を聞いてみるとそうではなくて、モデルの仕事で雑誌の特集記事みたいなものをやるらしいのだが、街中で女の子をひとりスカウティングしてその子を一日黄瀬くんの彼女役として撮影を行なうらしいのだ。
だが彼曰く、





「全く知らない子とやるより知ってる女の子とやったほうがいいと思うんスよ!というか奈々ちゃんとだからやりたいんスよ俺!てか本音言っちゃうと好きな子とやりたいんス!」





らしい。
まぁそりゃね、いきなりスカウトした女の子と一緒にやるより、知ってる子とやったほうが会話も弾むし、気を使わずに済むしで楽かもしれない。
その部分では納得できる。
だがな、考えても見ろ。






「黄瀬わんこのルックスのレベルが高すぎて私ついていけそうもないんだけど…。」





「黄瀬わんこってなんスか!?」





そう、この目の前にいるシャララデルモわんこのルックスをご覧ください。
綺麗な金髪に、パッチリとした目、あとすらっとした身体にほどよく付いた筋肉。
…なんだか前から筋肉ばっかり見てる気がする。
うるせぇ!筋肉フェチなんだよ!筋肉美とか好きなんだよ!ゴリマッチョあんまり好きじゃないけど!
しかも今回、一日かけての撮影ということでいろんなシチュエーションで撮るらしい。
まぁどんなシチュエーションで撮影するのかは黄瀬自身もまだ聞いていないらしいのではっきりとは言えないらしいが。
しかも今日は彼の勉強会の日である。
まぁ一日くらい…とさぼってしまってはいけない。
ダイエットと一緒なのだよ少年少女。
明日からダイエットするーといってダイエットをした記憶があるだろうか。
必ずといっていいほど大多数の人がNOと答えるだろう。
勉強も一緒だ、一日サボるともう一日、もう一日くらい、とサボりぐせがついてしまう!
別に私自身そんなに勉強が好きなわけでもないが、一日に30分間は勉強をするようにしてきた。
じゃないと学力が下がる!運動バカっていわれるの嫌なのよ!!!!
でもあまりにも一生懸命に頼んでくるもんだから私はある条件を彼に出した。
撮影が10時から8時までということでそのあとは時間がある。






「じゃあ、仕事が終わったらそのあとは勉強会やるから。」





その言葉を聞いて自分のお願いが叶ったとわかったのか彼はパァアッとキラキラと眩しい笑顔をこちらに向けてきた。
そんで抱きついてくる抱きついてくる。
…やっぱりこいつ抱きつき魔か。






「さっすが奈々ちゃんっス!!!じゃあもう行くっスよ!あと奈々ちゃんとは街で偶然会ったっていう設定にして欲しいっス、じゃないと俺流石に担当さんに叱られちゃうんで。」




どうやら撮影は10時かららしいが、その前の化粧やら着替えやらの時間があって集合時間は9時だったらしい。
ちらりと時計を見ると8時50分。
もう少し早く承諾してあげればよかったなぁってちょっと後悔した。
時間を守るというのは社会人や仕事をしている人たちにとってとても重要なことである。
1分でも遅刻しようものなら待っていただいている相手の方に失礼だ。
担当さんにもしかしたら遅れるかもしれないという連絡をちゃんとしておいた方がいいと黄瀬くんに伝え、彼に連絡を入れさせる。
その間にタクシー会社に連絡を入れマンションの入口に着けてもらうよう頼んだ。
幸い近くにいたということでもう到着するとのこと。
担当さんに電話をし終わったらしい黄瀬くんを連れてエレベーターに乗り込みマンション入口へと急ぐ。
マンションの入口に止まっているタクシーに乗り込むように指示すると黄瀬くんは驚いた顔をする。





「奈々ちゃんこんなことまでできるなんてあれっスか、超能力っスか!」




まぁそんなアホなことを言っている中学二年生を置いておきさっさと行き先を告げるようにいうと先ほどまでのアホさはどこへ行ったのかハキハキとした口調で運転手さんへ行き先を告げる。
…こいつ社会に出たら化けそうだなー、と内心思ったのは秘密にしておこう。
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