ブルーすかい。

□専属家庭教師です
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「おわ…ったー…!!!」




「お疲れ奈々!大丈夫?」




「お疲れ奈々ちゃん〜!」




「ありがと、さつき、みっちゃん。」




部活が終わり、更衣室の中でベンチの上へと倒れ込む。
まさか二日休んだだけでこんなにきついものだとは…。
まぁ確かに二日間ずっとほとんど寝てましたけど…。
元バスケ部の名はこんなに安い物だったのね…!
更衣室で他のマネージャーさんたちに心配されながら、私は着替えを進める。
そう、この後まだ私には仕事があるのだ。
さつきはそれが分かっているため、先ほどからがんばれ、としか言ってこない。
そういえばさっき青峰くんにはさつきが勉強教えたらいいじゃない、と言ってみたんだけど…。




「そんなことしたら大ちゃんに私呪われちゃう!」




と返されたんだけど、どういうことなのだろうか。
休日ということもあって、学校の敷地内はあまり人がいない。
というか今日は6時まで部活をやっている部活はバスケ部以外にはいないようだ。
そりゃこんなに閑散としているわけだ。
とりあえず私はむっくんを迎えに行くために男子の更衣室の方へと向かっていた。
さすがにもし着替え中だったりしたら変態扱いされそうだから外で待っている。
シャワー室も完備されているらしくなんだよこの中学校、まじで中学校かよって聞いた当初は思った。
そしてガチャリと開くドアに少々びくっとしてしまったのは秘密だ。




「あれ、奈々ちゃんじゃないスか!」




最初に出てきたのは黄瀬わんこだった。
…すまん間違えた、黄瀬くんだった。ごめんなんかだんだん彼の扱いぞんざいになってきた気がする。ごめんね、気がつきながらいじってるよ私。
そんな彼は私を見るなり抱きついてくる抱きついてくる。
ぎゅーぎゅーしながら「もー今日もかわいいっス−!」なんて言ってきて後から出てくる選手のみんなに苦笑いしながら見られるから本当に恥ずかしい。やめれ黄瀬わんこ!
そんな彼の首根っこをつかんで私から引きはがしたのは青峰くんだった。




「ったくてめぇはちょっと目を離したすきにこれだもんなー…。」



ついでに壮大なため息も降ってきた。
こいつら、みるみるうちに身長伸びてもっとこれから身長伸びるんだろうなぁなんて考えるとこれ以上見上げるのつらいからこのまま止まってくれとも思う。
…身長小さい子って大変だったのね…小さくて良いなぁとかいってごめんね…。




「青峰っちだって隙さえあれば奈々ちゃんにひっついてるじゃないっスか!」




「俺はいーんだよ。」




「理不尽っスよー!」




ぎゃんぎゃんと言い争いを始める彼らを放っておきひょこっと男子更衣室をのぞくと最後に先ほどシャワーを浴びたのか髪の毛からぽたぽたとしずくを垂らしているむっくんが立っていた。
いやー、こうして遠くから眺めてみるとむっくんきれいな顔立ちしてるしイケメンだよなーやっぱー。
そんで良いからだしてんなー、…ん?




「あ、奈々ちんだー、ちょっとまってねー今服着るからー。」




!!?!??!?!?!?
妙に肌色が多いなーなんて思ってたらそれは彼が上半身裸だったからでありまして!
ぎょっとして私は思わず顔を真っ赤にしてそらした。
いや、そりゃだってそらしたくもなるって…!すっげぇがんみしちゃったよえっとあのごちそうさまです!!!!




「奈々ちん?どったの?」




「い、いやいやなんでもないですからあの服早く着て!」




できるだけむっくんの方を見ないように目を泳がせていると、むっくんが不思議に思ったのかなんなのかしらないけれどあろうことか服を着ずにこちらにやってくるではないか!
手足の長いむっくんには5mというとかいう距離は一瞬で詰めれる距離でですね…!
そんで彼を見ないようにうつむく私の顔をのぞき込むように、こうしゃがむわけで、必然的に引き締まってほどよくついた筋肉がすばらしい体を見てしまってですね…!
近くで赤くなった私の顔を見てむっくんは気がついたのか、ぽふっとTシャツをかぶってくれた。
こ、これでようやく私はむっくんを見ることができるぞー!と顔を上げると5cm先というめっちゃ至近距離にむっくんの顔があってですね…!



パクッ。




一瞬何が起こったのか分からなかった。
気がついたら目の前にはきれいな紫色があって。




「なーにやってるんスか紫っち!!!!」




そんで気がつけば今度は金髪のわんこの腕の中。
いつの間に更衣室へと入ってきたのかしらないが、青峰くんと黄瀬くんが私の両隣に立っていた。
そんで先ほどまで目の前にいたむっくんと結構距離が離れていた。
たぶんこの両隣にいる彼らが私から彼を引きはがしたのだろう。




「いやだって奈々ちんのほっぺ大福みたいでおいしそうだったからー…。」




むー、とうなるむっくんはそれはそれはかわいくて、思わずきゅーんとときめいてしまう。
てかそうか、なるほどわかったぞ。
さっき、むっくんは私のほっぺをこう、ぱくっとしたんだな。歯形はついてないっぽいからたぶん唇かなんかでついばんだ感じなんだろう。
なんかやわらかい感触だったなー、むっくんとキスしたらお菓子の味しそうだよね、まいう棒の変な味食べた後とかだったら非常につらいと思うけど、うん。
そしてむっくんをあわせた三人を私は引き連れながら更衣室を後にした。
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