ブルーすかい。

□どうやら違う世界らしい
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「それにしても・・・いいマンションに住んでるんだなぁ私・・・。」


外に出て改めて自分の出てきたマンションの外装を見ると、なんていうんだろう、某動物が出てくる森の中に住むゲームの家具でいえばロイヤルみたいな、なんだかとっても高級な感じを醸し出している外装だった。
20歳OL時代に住んでいたマンションも2LDKでそこそこいい部屋だったけど、あの部屋4LDKだったもんな・・・恐い・・・私の両親どんな仕事してるの・・・。

まぁ、そんなことはおいといて・・・。


「いってきます。」


目の前にたたずむマイホームに挨拶をして、くるりと踵を返し、とてとてと家の周りの散策を始める。
なんだか木が多くてなかなか良い雰囲気ですな、ととっても上から目線であたりを観察する。
きょろきょろと私が不審な行動をしていたからかわからないけれど、後ろから「あの〜、」というためらいがちな声が聞こえた。
その声に応じくるりと振り向けば、そこに居たのは片耳ピアスの金髪シャララ男だった。


「小学生、じゃなさそっスね・・・うちの制服着てるし・・・。」


にしても見たことない顔っスねぇ−、俺大概の女の子の顔は覚えてるのに〜。とシャララ男はあごに手を添えて探偵ポーズを取って考える。大概の女の子の顔覚えてるってこえぇよ。
というか小学生いうな、私はぴちぴちの中学二年生よ!(裏声)とかふざけていたのだが、冷静に考えるとシャララ男がここにいる、と言うことは。


「・・・キセキの世代と私・・・もしかして同い年・・・?」


ドクンとはねる心臓、おいおいちょっ待てよ(某ドラマ風)
そんな偶然あってたまるか、まぁ目の前にシャララ系男子黄瀬涼太君がいるのだから信じないわけにもいかないが・・・。
・・・そっくりさんだったりしないよね?だって、ほら、口調までそっくりとかそんなのどっきりすぎだから。


「あ、もしかして転校生スか!今日くるって言ってた!」


先ほどの私のつぶやきはどうやら聞こえていなかったようで、何かを思い出したようにぽんっと手を打つシャララ。
どうやら私のことは結構学校では有名らしい(というかこの時期に転校生というのがめずらしいだけなのかもしれないが)
気付けば私はシャララ系男子黄瀬涼太にジッと見つめられていて少したじろぐ。
いや、別に彼のこと嫌いなわけではないんだ、ただこんな端正な顔立ちの男子に今までこうして見つめられたことなくってだな・・・。
あわわと少し慌てていると彼はキョトンとした顔をしてからぷっと吹き出した。


「なんだか君ってリスみたいスね、かわいいっス!」


さすが女の子の扱い慣れてるだけあるなぁおい、ちょっとうれしいぞ。
というか中学生の男の子に口説かれてるおばさんって一体・・・。
い、いいんだもん!いまぴちぴちの中学二年生だもん!(二回目)
そういえば、と思い出したようにシャララ男は私ににっこりと笑いかける。


「君の名前、なんてゆーんスか!」


あー、そういえば自己紹介まだだったよね、私が君のこと知ってるからもう知り合いのような気がしていたよ。
というか私このシャララ系男子に名前で呼ばれちゃったりするの・・・!?
ドキマギする心臓を押さえて、一回小さく息を吸った。
そして、


「私の名前は奈々、松木奈々です。よろしくお願いします。」


言った・・・!
まぁ、先ほどの言葉から察する限り私とシャララは同い年っぽいけど・・・うわあああ、本当にこんなことあっていいのか!
私の自己紹介を受け取ると目の前のシャララはうれしそうに満面の笑みを浮かべ私に右手を差し出した。


「俺の名前は黄瀬涼太っていうっス、よろしくっス、奈々ちゃん!」


いきなり名前呼びされた私はその場でにやけそうになった顔を必死に抑えた。
すごく変な顔をしてる、絶対に、その顔を見られまいとうつむいていたのだが、ひょいと顔を覗かれる。


「どうしたっスか奈々ちゃん。」


うわあああああいま!いま私シャララ…そろそろ黄瀬って呼んであげよ…。
まぁそんなことはさておき、き、黄瀬氏に顔覗かれてるよおおおおおおおっ!!!!
友達にこれまじ自慢したい、黄瀬厨のあいつにまじ自慢したい、と親友の顔を思い浮かべながら私は頬の筋肉を緩める。
改めてちらっと目の前にある端整な顔立ちに目を向けるとことあろうか黄瀬氏はボッと顔を真っ赤に染めて私から顔を遠ざけた。
むー、もう少し見ていたかった、ちっくしょう。
そんな私の心境とは裏腹に目の前の彼はあわあわとなんだか慌てたご様子。


「やっ、あの、その、そんなに顔を近づけるつもりはなかったっていうか!その!」


なんだ、彼も案外初なのね、と意外な一面を発見。好きな女の子見つけてはほいほい抱きついてそうなイメージなのに。


「やっ、気にしなくていいよ、別に嫌じゃないし。」


ねっと笑顔を向ければ瞬時に顔を背けられてしまう、私何かしただろうか?
まぁいいかと笑顔を解除する私をさっきっからちらっちらっと見る黄瀬氏。
気づかれてないとでも思ってるのかなぁ…ていうか本当にワンコみたいこの子。

そういえばよくよく考えれば私、この子と学校一緒なんだ!と気がつけば話は早い。



「ねぇ黄瀬くん!私と一緒に学校行こうよ!」
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