main(長編)

□mysterious truth
1ページ/1ページ

「・・・・・・」
馬車に揺られる独特の浮游感がした。
昨日あれだけ走ったせいだろうか・・・・・。
体が重い・・・・。
視界が霞んでぼやけていた。
足と手には枷が嵌められていた。
「・・・・こんなの付けたって逃げないのに・・・・・」
足を宙に浮かせ、ジャラジャラと足枷を鳴らす。クスッと笑って瞼を閉じると、やっぱりあの惨劇が蘇る・・・・。
別に忘れる必要は無い・・・。忘れたら、謎が解き明かされなくなる。
解明しなくては、ならない謎が・・・・。


また、少年は深い眠りについた。
馬車が止まり、扉が開く気配がした。
明るい光が瞼を閉じていても入り込んで来るのが分かった。
「おい・・・・着いたぞ、起きろ!!」
まだ頭が重く気だるい体に力を入れ立ち上がると、足と手の枷の重みで倒れそうになった。
「動け・・・・途中で逃げたら、お前を殺す!!その事を忘れるな」
「はい。」
弱い返事をして動き出す・・・・馬車を出ると、目の前には巨大な門があった。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ