ただいま!
□04
1ページ/6ページ
「お嬢様ー。いつものアレが届きましたよ」
「うん?」
牧子が持ってきた大層なプレゼントボックスを受け取って、躊躇いなく箱を開ける。
「わ」
出てきたのはワインレッドのクラッシックなワンピースドレス。軽いパーティーや、ちょっと敷居の高いレストランでも使えそうだ。
「綺麗ですね。きっとお嬢様にお似合いになりますわ」
「うん、……あ、シロ駄目。これは駄目」
ドレスで遊ぼうとするシロに、めっと注意。包帯もとれて、すっかり元気に歩き回るようになったシロはちょっとやんちゃだ。
「ごめん、牧子。これシロの手の届かない所に仕舞っておいて」
「かしこまりました」
にゃがにゃが、姦しいシロをひょいっと抱き上げて頬擦り。こうするとシロは途端に大人しくなるのだ。かぷり、愛音の顎を甘噛みして、ご機嫌をとるように鼻先を擦り付けてくる。
ごめんなさーい怒っちゃやー、のサイン。とりあえず自分が怒られるような事をしたのは理解しているらしい。
(うちの子、世界一可愛い!!)
飼い主バカ、炸裂。
.