ナルト短編

□ずっと望んでいたのは
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ずっと望んでいたのは・・・







     + + +







暁のアジト。

マダラから与えられた自室に俺は籠もっていた。

今までの存在価値はなんだったんだ。

俺は今まで、何の為に生きてきた・・・?


後悔にすべてが流されそうになる。

まるで、イタチが俺のすべてだったかのように。

いや、本当にそうなのだろう。

小さい頃は違った。

母がいて、父がいて。
うちはのみんながいて、

そして兄さんがいた。

ずっと、みんな一緒で幸せに暮らせると思っていた。

それが、当り前に在るべき未来のはずだったから。


でも違った。

現実はそんなに簡単じゃなかった。


母は死に、父は死に。
うちはのみんなも死んで、

兄さんと俺だけが残った。

もうその頃から俺には兄さんだけだったのに。


なんで、気付けなかった。

なんで、分からなかった。


兄さんはずっとあの頃のままだったのに。


「・・・兄さん・・・」


ぽつんと呟いた言葉が、暗い部屋に響く。


「・・・・・・・・・」


ただ、その呼びかけに応えるものはいない。

何故なら、自分が殺したから。


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!」


暗い部屋に絶叫が響き渡る。

全てのものへの絶望の声が。

































その声に、応えられるものは
























一人しか、いない。




















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Yes! 10分クオリティ!!

たぶん欲しかったのは、愛だと思います。

サスケは愛情に飢えた子ですし、それでなくとも、世界を信じられずにいる。
その事実に変わりはありません。

でもいつか、その心に安らぎが訪れますように。

                          2010.9.23執筆         

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