番外編

□11月11日の屋上にて
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「つー訳で、ポッキーゲームをやんぞ。」


 いや、どういうことだよ。













 先輩曰く、11月11日は何でもポッキーの日らしい。


 しかし、何故ポッキーだけ?プリッツもトッポも、それこそ細長いものなら何でもいいんじゃないか?


 あれか。専売特許ってやつか。


 因みに11月11日はチーズの日でもあるらしい。どこから由来しているのかは、知るところにないが。


 兎も角、今は先輩が誇らしげに取り出した赤い箱について、どう片付けようか考えるのが先だ。


 何が悲しくて野郎だけでポッキーゲームをしなくてはならないのだ。

 どうせならチーズ味のお菓子が良かったし。


「時、何また妙なこと考えてんの。」


 ごもっともな意見です、玲於先輩。


「藤原さん言うても、そう言うことは遠慮して頂きたいです。」


 藤原信者の一ノ瀬ですら、困ったような顔をして賛同しかねている。


「お前らは馬鹿か。よく考えてもみろ。上手く行けば和泉と……」


 あ、なんか悪寒がした。


 嫌な予感しかしないぞ。一体、小声であの人達は何を話しているんだ。

 変に盛り上がっている。

 正直に言う。不気味な上に物凄く怖い!


 小声で話した次は、怖いくらいの笑顔でこちらを見ている。端から見れば、怪しいことこの上ない。


 他人のフリしたい…。


「気味悪ぃな。」


「鋼。」


「食う?」


 そう差し出されたのはチーズ味のじゃがりこ。


 そう言えばこれも11月11日だよな。


「貰う。」


 結局、何故か話し合いの途中から乱闘が始まった三人を横目に、鋼とポッキーを有り難く頂きました。


 ポッキーゲーム?態々ゲームしてまで食べる必要はないだろう。




「あ、イチゴ味美味い。」




11月11日の屋上にて




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