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懐かしい匂いがした

それはもうしばらく忘れていた湘南の海の匂いだった。





いつのまにきみはこんなに大きくなったの?





肩幅広くなったね
声も低くなったね
背もまたいちだんと高くなったね





そんな大人みたいな目で見ないでよ


泣きたくなる。




わたしはここでおいてけぼりだ







キラキラひかるきみの背中



とんって額で寄りかかる







「かっこつけちゃって」

「ん」







かっこつけてるのは わたし







「中学のときわたしのことふったこと 後悔してる でしょう?」






何ゆってんだ

後悔なんてしてるわけがない、こんな男が


忘れてるに決まってる。

わたしに告白したことなんて。







「すげえ、してる」









・・・うそよ、







「だれも あんとき決めろってゆったわけじゃない から」







きみは一歩ずつわたしに近づく








「ば、ばかじゃな「ばかでいい」






「返事は?」



000/SLAMDUNK/無題
20070407
(そのキスは汐と泪の雑じった味がした)




  





「きみのぶー」
「ん?」
「かまってー」
「うん」
「・・・・。」
「・・・・。」
「きーみーのーぶ」
「うーん・・・ちょっと待っててくれ。今終わるから」
「もー!そうやっていつまで問題集とにらめっこしてんのよー!そーか!きみのぶはわたしなんかより生物の問題集のほうが好きなのね!そーなのね!ばーかばーかわたしにもバスケにも浮気してんじゃないわよ!ばーかばーか!」
「・・・子供か」
「きゃっ!」









「き、きみの、」
「そんなカッコしてきてなんのつもりだい?」
「そ、それは」
「ばかだなぁ」








「おれも男なんだよ」




001/木暮公延/サディズミング
20070415
(だって家にいるときのあなたは積極的で、)










「あ、悪い。そのプリント拾って」
「(初めて藤真くんに話しかけられた…!)どどどどどうぞっ」
「キョドりすぎ」
「え、(わわ笑った!うわーかっこいい!)」


「…名前、なんだっけ?」






002/藤真健司/プリンス
20070501
(翔陽高校1年藤真健司、入学して3週間、覚えた女子の人数約1名!)










  「・・・・・・」
「・・・・だから言っただろ?俺に関わるなって」
「・・・あ、たし」

何が起きたんだろう。
あたしの前には、血だらけの男の人が、1、2、3、4、5、6、7、7人もいた。その真ん中に洋平は居て、洋平だけちゃんと意識を持って、立っていた。わからない。どうしてこうなったのか。どうしてあたしがここに居るのか。

「俺の女って気付かれたんだろ」

洋平はそう冷たく言葉を放った。あたしの思考は読まれていた。
あたしは洋平を見上げる。

「・・・・・・・っ」

やだ。見たくない。

あたしが見た洋平の姿は、あたしが今まで見たどんな洋平よりも血まみれで、傷だらけで、そして、冷たかった。
洋平はあたしを見てくれない。


「俺と関わるとそうなるよ。だから、
 もう金輪際、俺には近付くな」


ああ、雨が降ってきた。
冷たい。冷たいなあ。あれ、あたしどうしてここにいるんだっけ。冷たい。冷たいのは何だっけ。そうだ、洋平。洋平が冷たいんだ。違う。洋平はあったかい人だ。

こんなのは、


「…違うよ」


そんな血だらけの、そんな傷まみれの、そんなボロボロボロな洋平は違う。
どれだけ激しく争ったのか、固めた髪の毛は数本乱れて落ちてきている。
誰のために、こんな姿になるまでやりあったの?
あたしは洋平の腕をつかんだ。自分の衣服の乱れなんて気にしない。構うもんか、雨はどんどん強くなる。

「そんなこと思ってないくせに、」

ズタボロになった彼の手を引けば、もう立つのも限界だったんだろうか、簡単にふらっとあたしへもたれかかった。

「・・・・・・・・初めては、俺がもらうって言ったよな」
「・・・言ってたね」


洋平の肩が小刻みに震え出した。あたしは腕の力を強く、強くする、傷の傷みなんておあいこさまだ。





「ごめん・・・・・・・」






さあ、
雨があたしたちを綺麗にしてくれる。
全て流れてしまえばいい、忘れてしまうくらい。
激しく激しく打たれて打たれてしまえば、全て流れ出ていくでしょう。





003/水戸洋平/センチメンタル15
20070502
(耳元で呟かれた「愛してる」を、あたしもこっそり囁いてみる。ほら、こんな夜には、)











「なあなあ」
「なによ」
「織田ノブナリってのが楽市・楽座の制度作ったんだよな?」
「違うけど(混同するなよ)」
「ステンシルって金属あったよな?」
「どこにもないけど(ステンレスでしょ)」
「口下手って口笛吹けない人のことじゃねぇの?」
「全然違うけど(どんな勘違いよ)」
「・・・・・・・!(がーん!)」
「(がーん!て)ねぇ、三井ってばかでしょ」
「う、うるせーやい!おれはばかじゃねぇ!」


(あーもう三井のくせにかわいすぎる!)





004/三井寿/フール
20070519
のぶなりさんごめんなさい。









  「ぐっ・・・・」

(とどかねえ・・・・・・!)

図書室の高いとこって、女子じゃ絶対届かないよね。そんなとこに限って授業のレポートとかで絶対必要な重要資料があんだよね。


(と・ど・か・ねーーー!って!)



脚立、ない。台、ない。人、いない。背伸びしても届かない。

泣きたい・・・足フルフルしてきた。辛い。
誰かーーー!!


「どれどれ?」
「わっ仙道、ナイスタイミンっ!そのジャポニズムって本とって!」
「ほいよ」
「あ、ありがと」

渡された本を受け取るわたし。
あんまりにもあっさり、ジャポニズムとるもんだから。

仙道がかっこよく見えた瞬間だった。






005/仙道彰/ジャポニズム
20070604
(背ぇ高のっぽの特権さ!) 









「藤真は好きな人に好きって言える?」
「言えるよ。」
「うそ!じゃあ言って!」
「好き」
「え?」
「お前が好き。」







006/藤真健司/言える?
20070612
(答えはもちろん、)
翔陽高校1年藤真健司、後日談。





 

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