ポケモン
□ハロウィン!仮装祭
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「皆、ハロウィンだよ!」
「だから、何なんだ」
南樹はうんざりとした様子で問う。輝跡のテンションが高いときは大抵ろくなことがないからだ。
「ハロウィンって言ったらやっぱ仮装でしょ?だから、仮装してきて☆」
「星のせいで無駄にムカつきますね」
輝跡がそう言うと化粧セット(?)やら服やらを持って目を光らせているハルカやマサト達が物陰から出てきた。
「ってことで仮装タイムに入っちゃうかも!」
「かもじゃなくて入ってるじゃんっ」
南樹と羽咲、火炭は彼女等+αに連行されて行った。
「さーって僕も着替えてこよっかな」
輝跡もその場を離れる。
さて、誰も居なくなったところでここには居なかった氷影と要の方へ行ってみよう。
「タケシ!TOT!」
「TOT?」
「とりっく おあ とりーとだぜ!」
「ああ、トリック オア トリートな」
早くも着替えて、タケシにお菓子をねだっていた。
「はい、クッキー。あとでパンプキンパイとかも焼くからな」
「サキがだろ?ま、いいや。ありがとな!」
タケシから一つずつ袋に入れられたクッキーを貰う。
氷影は満足そうに笑ってくるっと向きを変えた。
「次はサトシんとこ行こうぜ」
「サトシってお菓子持ってなさそうだよな」
「そん時は悪戯するだけだけどな」
「だよな♪」
何だか楽しそうな二人である。
「二人共、トリック オア トリート!」
そこにサトシがやってきた。
「おっ、サトシ!」
「それ、何の仮装なんだ?」
「狼男だぜ!」
サトシは耳と尻尾を見せた。成る程、確かに狼男だ。
要と氷影はサトシに飴玉を一つずつ渡した。
「サトシ、俺達からもとりっく おあ とりーとだぜ」
「え?あっ、お菓子持ってない!」
「やっぱりな!」
「悪戯決定!」
数分後、そこに輝跡達がやってきた。
その時にはサトシへの悪戯はできたらしい。サトシの髪はツインテールにされていたし、それをとらないためなのか、髪留めの部分は凍らされていた。短い髪を良く二つに結んだものだ。
「これでOK」
「どうなったんだ?」
「ぷっ」
羽咲が思わず噴き出す。
「ええ?」
「ツインテール可愛いぜ。ぷぷっ、サート子ちゃん。クククッ」
「な、サト子って!」
サトシは自分がどんな姿なのか気になって、火炭から手鏡を受け取った。
「うわっ、何だよこれ!」
サトシは解こうとするが、凍っていたためにできない。
「今日中は付けとけよ」
「えー」
氷影にそう言われ、サトシは嫌そうな顔をする。しかし髪留めははずれない。
「皆、そこに居ると邪魔だから別のところに行ってくれないか?」
「ああ、ごめん」
タケシが困ったような笑顔で言った。
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