ポケモン
□輝跡の☆マル秘観察レポート
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「あれ、日記?」
羽咲は日記のような本を拾った。
マル秘観察レポートはあと、と書いてある。観察レポート?何だろうか。
裏に返してみると常磐輝跡ときっちり名前が書いてあった。
「キセキの?何か…うん、怖いな」
輝跡のものだと解ると急に怪しいオーラを纏っているように見えてくるのは仕方無いとして、輝跡が書いたレポートというものがとても気になり出した羽咲。
開いてみようと手をかけたところで、誰かがやってきた。
「あれえ?ここら辺だと思ったのに…。あ、サキーぃ僕のレポート知らない?」
「き、キセキ!…これのこと?」
まだ中身を見たわけでもないし、疚しいことはないのだが思わず噛んでしまった。
輝跡は羽咲に差し出されたものを見て奪い取るように取った。
「そうそうっこれだよ。無くしたかと思ってさあ」
パラパラとページを捲って確認をしていた輝跡は俺の視線に気付いたのか、こっちを見る。
「中身、気になる?」
「えっ?い、いや、その」
「気になるよねっ、やっぱし。よし特別に見せてやろう」
「あ、だから…」
聞きたいけど聞きたくない。本能的に嫌な気配を感じとった俺は一歩後ずさる。
輝跡の瞳はあらんかぎり輝いていた。
「人目のつかないところに行こうか、ハーサキっ」
きっと今の言葉の語尾にははあとが入っていたと思う。だって声が爛々としてた。
輝跡に引っ張られてどこかに連れていかれる俺。
どこに行く気だ、どこに行く気なんだ!怪しい洞窟見えてきたんだけど!怖い、怖いってあの洞窟!幽霊でそうだよ、やだ入りたくない。
「はははっ今更聞かないなんて選択肢はないからね。ハサキ☆」
結局怪しい洞窟に入らされた俺に輝跡はさっきのレポートを渡す。見ろ、ということでいいのかな。
表紙を開くと一ページ目は題だったようででかでかと言葉が書かれていた。何々…
「観察…レポート?」
「昨日までカナメに張り付いてたんだよっ」
輝跡の目は本当に面白そうに輝いていた。
こういうとき、良いことは基本起こらない。この次のページを開くのがかなり億劫だったけれど、漸く開いた。
「ふふふっ」
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