ポケモン

□輝跡の☆マル秘観察レポート
1ページ/7ページ

「あれ、日記?」

羽咲は日記のような本を拾った。
マル秘観察レポートはあと、と書いてある。観察レポート?何だろうか。
裏に返してみると常磐輝跡ときっちり名前が書いてあった。

「キセキの?何か…うん、怖いな」

輝跡のものだと解ると急に怪しいオーラを纏っているように見えてくるのは仕方無いとして、輝跡が書いたレポートというものがとても気になり出した羽咲。
開いてみようと手をかけたところで、誰かがやってきた。

「あれえ?ここら辺だと思ったのに…。あ、サキーぃ僕のレポート知らない?」

「き、キセキ!…これのこと?」

まだ中身を見たわけでもないし、疚しいことはないのだが思わず噛んでしまった。
輝跡は羽咲に差し出されたものを見て奪い取るように取った。

「そうそうっこれだよ。無くしたかと思ってさあ」

パラパラとページを捲って確認をしていた輝跡は俺の視線に気付いたのか、こっちを見る。

「中身、気になる?」

「えっ?い、いや、その」

「気になるよねっ、やっぱし。よし特別に見せてやろう」

「あ、だから…」

聞きたいけど聞きたくない。本能的に嫌な気配を感じとった俺は一歩後ずさる。
輝跡の瞳はあらんかぎり輝いていた。

「人目のつかないところに行こうか、ハーサキっ」

きっと今の言葉の語尾にははあとが入っていたと思う。だって声が爛々としてた。
輝跡に引っ張られてどこかに連れていかれる俺。
どこに行く気だ、どこに行く気なんだ!怪しい洞窟見えてきたんだけど!怖い、怖いってあの洞窟!幽霊でそうだよ、やだ入りたくない。

「はははっ今更聞かないなんて選択肢はないからね。ハサキ☆」

結局怪しい洞窟に入らされた俺に輝跡はさっきのレポートを渡す。見ろ、ということでいいのかな。
表紙を開くと一ページ目は題だったようででかでかと言葉が書かれていた。何々…

「観察…レポート?」

「昨日までカナメに張り付いてたんだよっ」

輝跡の目は本当に面白そうに輝いていた。
こういうとき、良いことは基本起こらない。この次のページを開くのがかなり億劫だったけれど、漸く開いた。

「ふふふっ」


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ