ポケモン

□御守り
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「ヒーエーイ〜」

俺は隣に座る人物に話しかけた。

「…」

「ヒエイ〜」

無視されたからもう一度話しかけてみた。

「…」

また無視かよ。
氷影はさっきから何かを作ってる。小物みたいなもの。

「ヒエイ!」

「だーもう、お前少しは黙れ」

「やだ」

やっと返事が返ってきた。

「なあ、何作ってんの?」

「御守り」

「御守り?何の?」

さっきから凄い熱心にやってるけど、何のための御守りなんだろ。

「誰かにあげんのか?」

「お前にやんだよ」

そう言って出来上がったものをほれって投げてきた。
俺はそれを上手くキャッチする。

「俺に?」

じっと見れば、結構綺麗な作りをしていた。赤をベースに白い模様が入ってる。
…紅白?

「さんきゅ」

「ちゃんと身に付けとけよ。効果絶大だから」

「わかった」

俺はズボンのポケットに御守りを滑り込ませた。
つか、効果絶大ってどんな効果があるんだ?

「御守りの効果が気になってんだろ?」

丁度気になってたからこくりと頷いた。
氷影は悪戯っぽいニヤリとした笑みを見せた。

「それな、悪い虫がつかないようにするための御守り」

氷影は更にニヤリとした顔を濃くする。
でも、悪い虫って?
ハーリーさんとこのアリアドス?あの人なんつー名前だっけ。

「悪い虫って?」

「そりゃナキとかナキとかナキとかナキとかカレンとかカレン」

南樹と火恋のどこが虫なんだ?

「んー、意味わかんね」

「解んなきゃ解んないでいいから、御守りだけは付けとけ」

「りょーかい」

御守りの意味はあんましわかんねーけど、でもやっぱ氷影の手作りの御守りだから嬉しい。

「ありがとな」

笑ってお礼を言った。
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