ポケモン
□伝えたい☆伝わらない
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「何してんの?」
「何もしてないけど?」
火恋は怪訝な顔をする。
「何だよ。ヒエイも居ないし暇なんだよ」
要は川に足を入れ、何をするでもなくただ座っていた。
「暇、ねぇ」
だったらタケシの手伝いでもすれば良いのに。と火恋は思った。
「キセキとサトシは買い物だしコスミは料理だしハサキは昼寝してたし」
「要するに手伝いもする必要ないのね」
「そーゆーこと!」
「ったく…」
「?」
暫し沈黙が訪れる。首だけでも火恋の方を向いていた要は再び川の方を向いた。
「?」
火恋はそれに気付きその視線の先を追う。
ピチャン…
沼だ。
「何してるの?こんなところで二人で」
「ちょっとこのバカシャモと話してただけだけど?」
「なっバカシャモって何よ。バカニなんかに言われたくないわよ!」
「はあ?誰がバカニだ!」
「カニなんてあんたしか居ないじゃないこのチビ鈍感馬鹿!」
喧嘩がはじまる。この二人が喧嘩するのはもう日常茶飯事であり慣れっこなので沼はそれを止めようともしない。
「二人共仲良いね」
「誰がこんな奴と」
「…そ、それはこっちの台詞よ!」
沼が呟くと要がすぐに反応して言い返した。火恋も一瞬間を置いてから言い返す。
「あ…そう。じゃあ僕はもう行くよ、頑張ってカレン!ファイト!」
「え?うん」
「何の話だ?」
沼は今日のキャンプ地に戻って行った。
「(頑張って…か。どうだろ、あたしあいつの前来るといつも素直になれないからな)」
「さてと、俺も戻ろっかなー。スバ子だけじゃピカ公とかジュプ皇帝止めんの大変そうだしなー。あっでも俺じゃ止めらんねーか相性悪いし。まあオニコーも居るしどうにかなるか!」
そんな独り言を言いながら要は立ち上がる。
「あ、待ってカナメ!」
「ん?」
火恋に呼び止められて要は立ち止まり、振り向いた。
「あっその…いや、えっと…」
火恋は呼び止めたは良いものの何を言って良いか解らなくなり、言葉に詰まる。
「あーもう、言いたいことあんならはっきり言えってーの」