《甜!!》〜狼部屋

□日中捏造昔話【狼の恩返し】
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―――そして、その翌日のこと。


チョモランマにも似た書類の山に埋もれ、相も変わらずサービス残業な御剣の執務室に、突然蹴りのような激しいノックが響き渡りました。

ヌヌヌ!?一体何事かと思いつつチョッピリ驚いて扉を見た途端、突然バターンと扉が全開に開き、そこに一人の男が現れました。


《局内で迷っちまった、一晩おいてくれ!!!(チャキーーン!!!)》

『ムム!!何だ貴様まだいたのか狼 士龍ッッ!!迷うとは何の冗談か、いや何故一晩か!!!』

《アマいな!!狼子曰く―――『狭ぇ日本で思い出迷子……チョー・ヨンピル』》

『職務の邪魔をする気ならば今直ぐ出てゆけッッッ!!!』


しかしロウは黒服の部下達を大勢引き連れており、師父ワンスイ、師父ワンスイ!と叫びながら、ありえない早さで執務室内に騎馬民族的な革小屋を組み立ててしまいました。


《応!何があっても、恩人に絶対覗かせるんじゃねぇぞ、お前ら!!!》

【覇!!師父ワンスイ!!!】

『ヌヌぅ――もう勝手にしたまえ………』


既にマイ・ワールドワイドに浸ってしまった彼等を見て、これは多勢に無勢であると判断した御剣は潔く抵抗を諦め、再び職務を熟し始めました。



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