《甜!!》〜狼部屋

□日中捏造昔話【狼の恩返し】
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むかしむかし、エキゾチック・ジャパンのある検事局に御剣怜侍という上級検事がおりました。

ある日、相も変わらず生真面目に廊下の右側を歩いておりますと、何故か罠に嵌まった一匹の狼を発見しました。


『誰だッ!検事局に罠なぞ仕掛けた上に犬まで持ち込みおった大馬鹿者はッッ!!!』


これは恐らくあの糸鋸以外に考えられぬな、おのれ糸鋸、今年の賞与もあの頃と同じくワンコイン制裁であるぞと憤慨しつつ、少し間違った方向で御剣は狼の罠を外してあげました。


『ヌヌ!!こら、待て、待つのだ、そこの犬ッッ!!!』


しかし、罠が外れた狼は御剣の声もガン無視して、寧ろ唸りながら一目散に検事局の廊下を駆け逃げて行きました。

ぐヌぅ何と忌ま忌ましい犬かッ!うちのペスの爪のアカでも飲ませてやりたいッッ!!などと思いつつ歯ぎしりする御剣でしたが、取り敢えずその悔しさも給与査定に入れてやると盛大に眉間にヒビを浮かべつつ、怒り肩で執務室に戻ったのでした。



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