novel
□キーリ novel
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周りが良く見えない。
目が痛い。
・・・赤?
違う。『紅』だ。
人の死と、鉄の匂い。目の前で崩れ落ちていく仲間達。
嫌だ。
もうこんなの、嫌だ・・・。
誰のせいでこんな事をしてる?
何のために、私の仲間が死んで逝く。彼らが還ってくる事は無い。
何で。
ちょっと前まで、一緒にご飯食べたのに。
ちょっと前まで、カードゲームしてたよね。
みんなが悪かったの?
違う。じゃあ私?違う。
───あいつらのせいで。
『不死人』
私は色々見たくないものが滴る体を引きずって、近くに見えた建物に入り込む。
「(さっきここに、教会兵達が入っていくのが見えたんだ──・・)」
だったらきっと、ここにいる。
私の仲間を奪った、奴らが。
案の定、血の跡が点々と続いている。炭化銃にでもやられたのだろう。
ざまあみろ。不死身の怪物め。
少し奥に入ると、そこには大量の血痕。多分不死人は、ここでやられたのだろう。遺体は無いが、きっと教会兵達が持っていったんだと思った。