Hit企画小説

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ねぇ、マナ

僕ね

楽しみにしてることが

“あった”んだ――――





両親に捨てられた

あの雪の降る夜

一番の絶望と

最高の幸福を

得ることの出来た

あの日から………


僕の全ては、貴方でした

そぉ貴方だけだった



“普通の人間”である

貴方だった

僕はその事を

自覚するのが遅すぎた



貴方は、キエテしまった

それは本当に一瞬に……

掌に堕ちた雪のように

死に絶える蛍の光のように

僕の手の中を

滑り落ち、砕け、

その光はキエテしまった



後に残ったのは

貴方だった白い硬骨のみ



あぁなんて
弱い生き物だろう
あぁなんて
不愉快なのだろう
あぁなんて……………


僕は、そのとき

酷く不愉快だった

そしてその思いと同時に

初めて血ではない

透明な涙が

僕の頬を伝い落ちていった…



あの日から

僕には

楽しみなことが“あった”



それは全ての宿命を終え

貴方と同じ場所に行き





貴方に逢うこと……





ずっとずっと

楽しみだったんだょ?

ずっとずっと……

でも気づいたんだ

僕の全ては貴方だ

それは永久に

変わることはない

でも貴方にとって

僕は全てではない……


貴方には

【あの頃】より少し前に

【大切な人達】がいた

その人達との間に

僕は割って入ることは、

踏み込むことは、




できないのだと―――




でも……

もぉ大丈夫だから

貴方がいなくても………

立つことも

歩くことも

一人で

できるようになったから




だから貴方に

最上級の愛と共に

心からの【ありがとう】を

そして精一杯の

【さようなら】を伝えます










ありがとう

ありがとう

ありがとう

ありがとう

ありがとう







愛してたよ










さようなら………









僕が愛した唯一の人へ





‡†‡†‡fin‡†‡†‡
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