Hit企画小説
□1万Hit企画小説
2ページ/2ページ
「……んあっ?」
不意を突かれたのもあった為か間抜けな声をあげてしまう神田。
「どうしたんですか?いきなり変な声を出して;……それより、教えてくださいよ!さっきの日本語の意味!」
普段の彼からは、想像もつかないような間抜けな声に驚きつつも、やはり日本語の意味の方が気になるのだろう。
再度、神田に聞き返す。
「……おっ…おぃ、い、いったい誰にその言葉を教わった?」
その言葉の意味が分かってしまっている神田は、ショックから立ち直れないのか、若干顔を引きつらせつつ、この騒動の元凶を聞き出す。
「え?ラビですけど」
(あの野郎かぁっ!!)
アレンは、今にも人を殺しそうな殺気を放ちながら、腰に下げている六幻に手を掛け出ていこうとする神田に驚きながらも、急いで制止をかける。
「ちょっ、いきなりどうしたんですか!?」
「あの糞兎をたたっ斬りに行くに決まってんだろっ」
「だから、なんでそぉなるんですかっ!」
「あの野郎がお前にろくでもねぇ事を吹き込んだからに決まってんだろ!!」
「と、取り敢えず止まってくださいっ!」
「ちっ…なんだょ」
「その…ラビが僕に教えた日本語って、神田がそこまで怒るような意味なんですか?」
「………っ///」
制止をかけているのにも関わらず、扉を突き破り出ていきそうな神田を何とか腕にしがみつく事で、止まらせる事に成功したアレンは、神田の怒りの原因であるであろう、その日本語の意味について問いかけた。
すると神田の顔が一気に赤面する。
アレンは、えっ?なんで赤くなるの?と思いつつも神田が答えるのを待つことにした。
(あぁぁぁくそっ!あの糞兎っ)
チラッ
ジィー
「…………;」
脳内でラビに暴言を吐きながら、気まずそうにアレンに視線を向ける。
するとバチッと大きな銀色の瞳と視線が合う。
そのたびに、神田は、赤面し、物凄い勢いでアレンから視線を外す。
それを何十回か(長ッΣ)繰り返した後、漸く決心がついたのか、視線を外しつつもアレンに向き合いう。
「さっきの言葉の意味はなぁ………」
「…………」
決心は、ついたものの言い難い事に変わりはない。
一度、はぁと溜め息を吐き出し、アレンに視線を戻す。
その瞬間、神田は、あのまま視線を外しとくべきだったと後悔した。
神田を気遣いつつも、相当気になっていたのだろう、少し潤んだ瞳で真剣なに見つめてくるアレン。
言葉の意味が意味だけにムラッときてしまう。
(落ち着け、落ち着け…コイツは、純粋に気になってるだけだ…)
そうアレンは、純粋に意味を知りたがっているだけで、決して神田を誘っているわけではない。
だが何日も、恋人に触れていない状況で、あの言葉は最高の誘い文句にしかならない。
今にも、押し倒してしまいそうな自分を制御しようとするのだが…………
そんな神田の様子をアレンが分かる筈もなく、ただただ目の前の宝箱の中身を今か今かと待ちわびる子供の様に尚を見つめてくる。
‡†‡†‡†‡†‡†‡†